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自分の頑張っている部分をエンパワメントする【私が自分を生きるまで㉕】

2024年10月1日

母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間」と信じ込んで生きてきた私。

「自分を生きる」ために、努力を重ねていきます。

苦しい思いをするのは、「私を責める内なる声(自責の念)」が原因だと気づいてから、自責の念を静かにする方法を試行錯誤するようになりました。

ところが、ある日、私の頑張っている部分にスポットライトを当てることで、興味深い体験をしたのです。

自分の頑張っている部分に注目し、エンパワメントすることも、心を整えるために必要であることについて、お伝えします。

 

自責の念が騒ぎ出す、いつもの自分

 

ほんのささいなことで、私を責める内なる声(自責の念)が騒ぎ出します。

 

たとえば、先日、勤務している学校で、ある教員から言われました。

  • 日本だと、スクールカウンセラーって、軽く見られがちですよね。
  • 私が海外の学校で働いていたとき、スクールカウンセラーは常駐していて、誰もが敬意を払っていました。
  • 日本だと、保護者は、スクールカウンセラーを教員より下に見てしまうんですよ。

 

多くの人は、「日本と海外の文化が違うんだろうなあ」ぐらいにしか思わないでしょう。

でも、私は、私を責める内なる声が騒ぎ出すため、気持ちが動揺していくのです。

 

日本でも、力のあるスクールカウンセラーは、みなから敬意を払われる。

私は、能力がないから、みなから軽んじられる。

どんなに頑張っても、ダメな人間は、結果を出せずに終わっていく。

 

やり取りをしていた教員に対しては、「そうなんですね~」と笑顔で返したものの。

いつものパターンにはまり、しょんぼりしてしまった私。

自分を責める内なる声に対処する気力もなく、帰宅後は、早々に寝てしまいました。

 

寝るのは、ある意味、最終手段。

寝ることで、自分を責める内なる声をシャットダウンするのです。

 

※気力と体力があるときは、自分を責める内なる声(自責の念)に対処しています。

 

落ち着いて冷静な自分がいる?

 

そんなある日。

「ハコミセラピー」で、「身体に現れるもの」を取り上げ、深めるという機会がありました。

 

ちなみに、「ハコミセラピー」は、「マインドフルネス」をベースに、心と身体の両方に働きかけるセラピーでして、私の心のよりどころとなっています。

「身体に現れるもの」は、姿勢、動作、態度、しぐさ、口調、声のトーン、話し方などを指し、「非言語的メッセージ」とも言われるものです。

 

さて、その日は、私の「身体に現れるもの」を、私以外の三人が観察するところから始まりました。

私は、部屋の入り口から入って、しばらく歩き回り、座布団に座って、仕事上の悩みを話します。

私の一連の動作を観察していた人たちは、「前より落ち着いて、冷静な感じがする」とのフィードバック。

 

ええっ!?

私は、仕事上で、落ち込むことがしょっちゅうだし、悩んでばかり。

落ち着いて、冷静な要素なんて、ないんですけど。

 

私が認識している自分とは、あまりにもかけ離れたフィードバックに、驚きながらも、興味を覚えた私。

私がクライエント役となり、セッション練習を行う際、「落ち着いて冷静な感じ」を取り上げることにしました。

 

クライエント役の私は、目をつぶり、ゆっくりと深呼吸をしながら、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けていくという、「マインドフルネス」の状態になります。

「マインドフルネス」の状態で、自分の身体の内側に意識を向けていくと。

 

たしかに、静かで、落ち着いた感じがする。

 

「マインドフルネス」の状態のまま、静かで落ち着いた感じをじっくり感じていきました。

 

自分の頑張っている部分に注目する

 

自分の頑張っている部分が浮かび上がる

「マインドフルネス」の状態で、静かで落ち着いた感じに意識を向けていくと。

別のイメージが浮かび上がってくるではありませんか。

 

じっくり考えたことを、黙々と遂行していくイメージ。

 

そのイメージは、キャラクターとして浮かび上がってきました。

実は、私は、自分の心の中をキャラクター化し、自己理解をはかっているのです。

 

じっくり考えるキャラクターは、「なおぞう君」

黙々と実践していくのは、「ソルジャーなお」

 

「なおぞう君」が、たくわえた知識や、状況を見て判断したことをもとに、考えを練り、アイディアを出す。

すると、「なおぞう君」の前方にいる「ソルジャーなお」が、その指示に従って、任務を遂行していく。

「ソルジャーなお」が遂行した結果が、「なおぞう君」にフィードバックされる。

結果を受けて、「なおぞう君」がさらなる検討を行い、新たなアイディアを出す。

 

ふと、「任務遂行ブラザーズ」と名づけてしまった、二人の男性陣。

よどみなく前後に動く楕円形の流れを作り、任務を遂行していくのです。

 

自責の念が立ち現れてくる

「任務遂行ブラザーズ」の流れを感じていると、左側からその流れを眺めている三人組の姿が浮かんできました。

思わず、「自責の念シスターズ」と名前をつけてしまった、三人の女性陣です。

 

指示と叱責を連発する「タカハシさん」

出来の悪い私を罵倒する「なおなお」

ダメ人間の私を嘆き悲しむ「きいちゃん」

 

「自責の念シスターズ」は、早速、いちゃもんをつけ始めます。

「タカハシさん」は、このところ、自責の念を消すタッピングの影響で、影が薄いのですが。

「なおなお」は、元気いっぱいで、「任務遂行ブラザーズ」を罵倒する言葉を吐きます。

 

あんたたちは、もともとヘッポコなのよ。

いっちょ前に、任務遂行なんて言ってるけど、結果が出てないでしょ。

周りの人を納得させるような素晴らしい結果を出さなくちゃ、何もやらないのと一緒。

 

「なおなお」の罵倒の声を聞くと、今度は、「きいちゃん」の嘆き悲しみが始まります。

 

やっぱり私は要らない子なんだ。

もともとがダメ人間だから、どんなに頑張っても、良い結果が出ない。

 

いつもの私のパターンが立ち現れてきたのです。

 

自分の頑張っている部分をエンパワメントする

「自責の念シスターズ」の声が響き渡ると。

「任務遂行ブラザーズ」は、ちょっと気圧され、楕円形の流れが少し遅くなります。

 

でも、「やれやれ。また始まったよ」といった感じで、あまりダメージを受けていません。

すぐに、楕円形の流れが、もとの速度になり、任務遂行モードに戻っていくのです。

 

「自責の念シスターズ」の声に揺るがないほど、「任務遂行ブラザーズ」はしっかりしている。

そのお陰で、私に「冷静で落ち着いた感じ」が生まれているんだ。

思い返すと、以前より、仕事のミスが減っているかも。

 

「任務遂行ブラザーズ」の地道だけれど、ゆるがない在り様に、胸が熱くなってきた私。

私のセッションを見ているセラピスト役、オブザーバー役の人たちにお願いして、「任務遂行ブラザーズ」に励ましの声をかけてもらうことにしました。

 

本当によく頑張っているね。

あなたたちのお陰で、仕事も、作業も、はかどっていくよ。

毎日、ありがとう。

 

「マインドフルネス」の状態で、かけてもらった声を聞いていると。

胸にジーンとした熱いものがこみ上げ、涙があふれてきました。

 

注目を浴びることがなくても、黙々と働いてきた「任務遂行ブラザーズ」。

承認欲求のようなものがない、無欲な存在。

無欲ではあるけれど、感謝やねぎらいの言葉をかけてもらうと、感無量になる。

 

「任務遂行ブラザーズ」が感無量になっている感覚。

私自身が「任務遂行ブラザーズ」に心から感謝する感覚。

 

それらを、じっくりと味わうと、エンパワメントされる感じが広がっていき、セッションが終わりました。

 

※心の内面をキャラクター化し、自己理解をはかっていることについては、こちら。

 

自分の心の内面には様々な部分がある

 

一般社会でも、声の大きい人に注目が集まり、その人の意見が通りがち。

それに、できていること、やれていることは、当たり前のこととして、スルーされてしまうのも、世の常。

私の心の中でも、同じことが起こっていました。

 

普段は、「自責の念シスターズ」の声が、心の中に響き渡っていることが多いので、どうしても、そちらに気が取られてしまう。

それではいかんと思い、心身の調子が良いときは、「任務遂行ブラザーズ」の二人のことも、チヤホヤするよう心がけてはいても。

「任務遂行ブラザーズ」の働きは、当たり前のこととして、ついつい、スルーしてしまうのです。

 

「ハコミセラピー」のセッション練習でも、自分の悩み事から入ることが多いので、どうしても「自責の念シスターズ」が主役になってしまうのよね。

でも、今回、「ハコミセラピー」のセッションで、「任務遂行ブラザーズ」、つまり、自分の頑張っている部分にスポットライトが当たったことで、私自身がエンパワメントされました。

心が軽くなり、元気がみなぎり、「明日から頑張るぞ~」という気持ちになれたのです。

 

心を整えるためには、自分自身の心の内面が、様々な部分でできていることを、改めて自覚することが大切だと感じました。

そして、普段は意識が届きづらい、自分の頑張っている部分に注目し、エンパワメントすることで、心のバランスが保たれます。

セルフケアも欠かせませんが、他者から声をかけてもらうと、効果倍増です。

 

※自分自身をエンパワメントする別な方法については、こちら。

 

 

「心軽やかな日々を送りたい」という執念にも似た願いのもと、自分自身の探究を続けてきた私。

嫌われることへの恐怖はなくなってきましたが、「一流になれない自分を許せない」という部分が、どうしても騒ぎ出し、苦しくなります。

ですが、自分の心を整えていくためには、自責の念ばかりに注目するのではなく、自分の頑張っている部分に気づき、エンパワメントすることも大切だと痛感しました。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

※様々な努力の末、自分の全てとつながるという体験を得ました。

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