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気持ちを分かってくれない配偶者に自分の思いを伝えるために必要なこと

2024年12月12日

夫とのケンカが絶えない日々に、疲れ果てていた私でしたが。

気持ちを分かってくれない夫だからこそ、是が非でも、自分の思いを伝えたい!

試行錯誤、悪戦苦闘の末、自分の思いを伝える方法が見えてきました。

 

夫には私の気持ちが伝わらない

 

なんで、私の気持ちを分かってくれないの!?

 

夫と話をする度、イラっとします。

 

たとえば、私が仕事上で失言をしてしまい、落ち込んでいたときのこと。

17~18年にわたり、同じ勤務校でスクールカウンセラーとして働いていた私は、自分のふがいなさにガッカリするばかりでした。

 

大学院を修了し、臨床心理士の資格を取得して以降も、自己研鑽に励んできたつもりです。

様々な心理療法の研修会やワークショップ、臨床心理学関連の学会に参加し、新しい知見を学ぶことは、もちろん。

自分を知ることが仕事の質の向上につながると思うからこそ、休日のほとんどを、自己探究のための学びに費やしていたのに。

 

それでも、うっかりミスをしてしまうのは、そもそも、専門家(臨床心理士)としての資質がないからだ。

 

そんな考えが浮かび、ガックリ落ち込んでしまった私が、「私は、仕事を辞めたほうがいいと思う」と、つぶやいた途端。

夫が、声を荒げます。

 

これまで築き上げてきたキャリアを、そんなにあっさり手放したら、あとで後悔するよ!

仕事の失敗だって、ナオミの勘違いかもしれないんだから、そんなことを考えるのはやめたほうがいい!

 

夫の言葉を聞いた途端、腹の底から怒りがこみ上げてきました。

そして、出産後、本当は家庭に入りたかった私に対して、「ナオミが働けば、何とかなる」と主張し、私の預貯金を頭金にして、自宅マンションを購入した夫の姿が目に浮かびます。

生後数ヶ月の息子を保育園に預け、仕事に、家事に、子育てに追われ、激やせし、フラフラだった日々。

 

夫に腹を立てたことをきっかけに、夫に私の気持ちが伝わらないことに関する、過去の悲しみや恨みつらみが、芋づる式に出てきました。

 

思いをぶちまけてもムダだから伝え方を変えてみる

 

これまでの私だったら、夫に自分の思いをぶちまけます。

 

なんで、私の気持ちを分かってくれないの!?

分からないにも、ほどがあるでしょう!!

 

夫も負けてはいませんし、私も言い返します。

 

俺は、ナオミのことを思って言ってるんだ!

俺は、ナオミファーストなんだ!

 

ナオミファーストの人が、私のために具体的に何をしてくれたっていうの!

私を金づるか、家政婦としか、考えてないくせに!

 

次第にエスカレートし、激しい夫婦喧嘩に発展するのが、日常茶飯事でした。

 

ですが、結婚して、19年以上の月日が流れ、試行錯誤、悪戦苦闘の末。

思いをぶちまけても、ムダだと分かってきました。

夫に伝わりやすい言い方をしないと、徒労に終わるから、ムダな労力を使いたくないわ~という思いが、頭をかけめぐります。

 

これまで築き上げてきたキャリアを、そんなにあっさり手放したら、あとで後悔するよ!

 

そんな夫の言葉を聞いても、反射的に反応するのはやめます。

夫の言葉を聞いて、私の本心、つまり、頭の中に浮かんだ考え、気持ち(感情)を伝えると良いだろうと、判断しました。

そして、次のように伝えてみたのです。

 

仕事を辞めたら、私の分の収入がなくなるから、仕事を続けてほしいって言われている気がする。

そういう気持ちはないかもしれないけど、金づると思われてるみたいで、傷つくし、悲しい。

 

夫は、首をブンブン横に振って、話を続けます。

 

ナオミが仕事を辞めたら、正直、収入が減るのは痛いけど、ナオミを金づるとは思っていない。

スクールカウンセラーの仕事は、ナオミのアイデンティティになってるんだろう。

それをなくしたら、ナオミは生きがいをなくすんじゃないか。

 

そこからは、互いに思っていることを話す展開となり、ケンカは回避されました。

それどころか、互いの理解が促進されたではありませんか。

自分の本心を伝えたら、思いのほか、夫に響いたので、私は驚いてしまいました。

 

自分の思いを伝えるには練習が必要かもしれない

 

賢い夫婦であれば、早い段階から本心を伝え合い、言い争いではなく、話し合いで折り合いをつけていくことでしょう。

 

ですが、夫は、発達凸凹(発達障害の診断はつかないが、発達障害の特性をもっている状態)があり、相手の気持ちを察することが苦手。

それに、自分の気持ちを客観的に把握することも苦手なので、自分の本心を口にすることはありません。

 

私自身にも、発達凸凹はあるものの、本心を伝えることの苦手さは、母との関係に起因しています。

私の母は、私が幼い頃から、「ママの言うことは、絶対に正しいの!」と言い、私が母の意向に沿わないと、私を一方的に罵倒しました。

自分の感情や考えは横に置き、母に従うことが、生家で生き延びるための方策だったのです。

 

自分の本心を言う機会に乏しかった私は、自分の気持ちが、分かるようで、分かりませんでした。

夫に腹を立てているけれど、何がどのように腹立たしいのか。

自分の気持ちが分からないので、夫にうまく伝えることができないのです。

 

ですが、夫との関係の中で、試行錯誤、悪戦苦闘を重ね、自己探究に励むうちに、分かってきたことがあります。

 

「怒り」の裏には、怖れ、驚き、悲しみ、悔しさなど、最初に生まれる感情がある。

危機的な状況で、最初に生まれる感情は、危険を知らせる警告のようなもので、「本心」でもある。

そして、相手を攻撃し、倒すことで、危険をなくそうとするときに、「怒り」が生まれる。

つまり、「怒り」は二次的なもので、「本心」ではない。

だから、「怒り」をぶちまけても、相手には響かない。

相手に「本心」を伝え、コミュニケーションを取れば、争いに発展しないで済む。

 

「本心」の大切さに気づいてから、私は、自分に起こる感情などに気づく練習をするようになりました。

すると、感情が生まれる際には、考えが浮かぶことにも、気づいていきます。

 

最初にどんな感情が生まれるのかを、じっくり観察する。

感情が生まれる際に、どんな考えが浮かんでいたかを吟味する。

 

次第に、自分の本心、つまり、最初に生まれる感情や考えが把握しやすくなっていきました。

このところ、探りあてた本心(考え+感情)を夫に伝えると、夫に響くようで、夫とはケンカにならずに済んでいます。

私のように、生い立ちの中で本心に触れる経験が少ない人間でも、自分の本心を探り、伝える実践を重ねていくと、徐々に熟達するようです。

 

生まれ育つ過程で、自分の本心に触れ、本心を相手に伝える経験がある人には、「今さら」という内容かもしれません。

ですが、日本人の多くが、自分の本心を探り、伝える経験に乏しいのではないでしょうか。

本心を大切にすることは、身近な人との関係を改善するだけでなく、自分を大切にすることにもつながります。

試しに取り組んでみてはいかがでしょう。

 

※さわやかな自己主張を「アサーション」とも言います。詳しくは、こちら。

 

 

今回は、日頃から本心を探る本心をひたすらに探っていき、配偶者に本心を伝えたら、相手に響くようになっていった体験について、お伝えしました。

自分の本心を知るにつれ、自分自身の生きやすさにもつながったので、二度おいしい感じです。

ぜひ、お試しくださいね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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