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とらわれ続けてきた「母の呪縛」が意味を失う日が訪れた【私が自分を生きるまで㉑】

2024年10月17日

母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。

「自分を生きる」ために、努力を重ねていきます。

自責の念からどうしても逃れられず、長丁場を覚悟した私でしたが、意外なほど簡単な方法で、自責の念を消し去ることができました。

そして、私自身にからみついて、とらわれ続けてきた「母の呪縛」が、意味を持たなくなるという、新しい体験が起きました。

 

自責の念が消えたことが新たな展開の下地になった

 

自責の念があっさり消えました。

 

様々な心理療法(カウンセリング、セラピー)を受けても、学んでも、しぶといほどに私にへばりついていたのに!

 

自責の念を消してくれたのは、精神科医の杉山登志郎先生が編み出したトラウマ治療法(TSプロトコール)の1つ、「手動処理」です。

身体の4か所を両手で交互にタッピングする、というごくごく簡単な方法。

 

これまで、価値観を根底からくつがえすような新しい体験をしたときに、数ヶ月程度、自責の念が消えていたことはありました。

それが、こんなに簡単な方法で消え去るとは、思いもよりませんでした!

 

「自分を責める内なる声」が聞こえないだけで、気持ちが軽やかになります。

嫌なことがあれば、ガッカリしますし、腹も立ちますが、ほんの短い間だけ。

しばらくすると、ケロッとするのです。

 

一般の人たちは、こんな心持ちで日々を送っているのか~。

 

思わず、にんまりしていたら。

私の中で、新たな展開が起こりました。

まるで、自責の念がなくなったことが、次なるステージへの下地になったような感じです。

 

※「手動処理」について書かれた著書は、こちら。

杉山登志郎(2019)「発達性トラウマ障害と複雑性PTSDの治療」誠信書房

杉山登志郎(2021)「テキストブック TSプロトコールー子ども虐待と複雑性PTSDへの簡易処理技法ー」日本評論社

 

※自責の念を消した方法の詳細については、こちら。


※新しい体験によって、自責の念がしばらくの間、消えていたことについては、こちら。



 

意味の分からない体験が起きた

 

自責の念がなくなって、3週間が経った頃。

私は「ハコミセラピーBeingコース」に参加しました。

 

「ハコミセラピーBeingコース」とは、「ハコミセラピー」の手法を使って、様々なグループワークを行い、自分の在り方を見つめるコースのこと。

そして、「ハコミセラピー」の肝となるのが、「マインドフルネス」です。

 

私は、参加者とペアになり、「自分は何者か」というワークを行いました。

目をつぶり、ゆっくりと呼吸をしながら、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けていきます。

これが「マインドフルネス」の状態(瞑想状態)。

覚醒した意識が低下していき、無意識にあるものが現れやすくなります。

 

「マインドフルネス」の状態になった私に、ペアになった相手が声をかけます。

 

あなたはだあれ?

 

自分の名前、年齢、性別、出生地、在住地、職業など、いろいろなことが浮かびます。

それを「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」と心の中で声をかけ、横に置いていく。

そんなやり取りをしばらく続けていたところ。

 

意味がない!!

 

いきなり、低く、厳しい声が頭の中に響きました。

何のことやら、意味が分からず、戸惑っていると。

 

急に、頭の中でイメージが展開されます。

 

小さな窓がパカッと空いて、窓の外に宇宙空間が広がっている。

白い宇宙服を着た人が、窓から宇宙空間に流れ出ていく。

 

同時に、身体に変化が起きます。

 

全身を悪寒のようなしびれが伝わっていく。

その後、全身が燃えているように、カーッと熱くなる。

熱がゆっくりゆっくり冷めていくと。

頭が空っぽ。

 

全くもって、意味の分からない体験。

でも、何か大きなことが起こったような気がしました。

 

「母の呪縛」が意味を失う

 

「ハコミセラピーBeingコース」での体験は、いったい何だったのか。

あれこれ考えた末、ピンときたものがあります。

 

「母のお気に入りにならなければいけない」という、「母の呪縛」。

もう意味はない、ってことだ。

 

母にしいたげられ、ののしられる環境で育った幼い私。

母に嫌われたら生きていけない。

生き延びるためには、母に好かれるしかない。

そう、信じ込みました。

 

幼い私は、生き延びるために、母のお気に入りになるべく、血のにじむような努力を始めたのです。

ときには、母好みの人物になれない自分を、激しく叱責しながら。

 

たしかに、3~4歳の幼児にとって、親に嫌われ、捨てられたら、生きていけません。

ですが、成人して収入を得るようになれば、母に嫌われても、死ぬことはありません。

 

頭では分かっていた。

でも、私の中の幼い子は、どうしても納得できなかったみたい。

 

「母に嫌われたら生きていけない」という考えを、ギュッと握りしめ、ある意味、「母の呪縛」にとらわれ続けていた。

どんなに努力をしても、母が生きている間、私が母のお気に入りになることはなかった。

母のお気に入りになれない自分を嘆き、悲しみ、自らの首を絞めるという沼にはまっていった。

 

ところが、自責の念がなくなったとき。

「自分を責める内なる声」の攻撃を防御する必要がなくなり、私の中に余力が生まれました。

 

生まれた余力は無意識の中にも注がれ、無意識の中で状況を整理する力となる。

無意識の中で、「母のお気に入りにならなくてはいけない」という「母の呪縛」に、もはや意味はないと結論が出る。

「マインドフルネス」の状態となり、意識の覚醒が低下したタイミングで、無意識が出した結論が言葉となって現れる。

「母の呪縛」が意味を失ったことを、まるで、全身が自覚するかのように、不思議な体感覚が広がった。

 

グループワークでの不思議な体験は、深い意味を有していました。

無意識が引き起こす体験は、人の意識や認識を超えたものとなることがあります。

裏を返せば、いくら意識し、認識しても、無意識の中にあるものが変わらないこともあるのですよね。

 

もちろん、自責の念が消えたことだけが、「母の呪縛」の消失に影響している訳ではありません。

「ハコミセラピー」での様々なワークを通して、母との関係で生じた心の傷が癒えていったことが、一番大きいと思います。

 

いずれにしても、諦めずに努力を重ねていけば、自分にとって適切なタイミングで、「母の呪縛」が意味を失うのだということに気づかされました。

 

※「母の呪縛」とも言うべき「ビリーフ(信じ込み)」が簡単に手放せなかったことについては、こちら。


 

 

今回は、「母の呪縛」が意味を失うという体験が起きたことについて、お伝えしました。

杉山登志郎先生のTSプロトコールは、「ハコミセラピー」の仲間が教えてくれたオンデマンド動画で紹介されていたもの。

心から願うことを、周りの人たちも助けてくれるんだなあと、感謝しかありません。

この後、さらに新しい体験が生じ、「自分らしく生きる」ためのプロセスは続いていきます。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

続きはこちら。「母の呪縛」が意味を失ったら、自分を肯定する感覚が湧き上がる体験をしました。

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