配偶者選びに影響していた親との関係と自分自身の切なる願い
結婚して以来、夫の言動に対して、なかなかに大変な思いを重ねてきました。
ですが、私自身の母との関係、そして、そこから生じた切なる願いが、配偶者選びに影響していることに気がつきました。
気づきを得ると、私の中の幼い子どもが、一生懸命に人生を模索しているんだなあと感じて、自分を応援したくなりました。
夫と結婚したことを後悔する日々
なんで、こんな人と結婚してしまったんだろう。
夫と暮らすことに疲れ果て、離婚を考えても、夫の頑なな拒否にあい、苦しい思いを重ねてきました。
まず、経済的な悩み。
夫は、欲しいものがあるとガマンできません。
場合によっては、私の収入をあてにして、欲しいものを手に入れていきます。
仕事でも、夫は、自己流を貫き、他者の言葉に耳を貸しません。
そのせいで、無職の期間が2年も続いたり、契約社員に格下げになって給与が半減したり。
日常生活も、夫は、自分のペースや考えをゴリ押し。
私が意見すると大声を出し、自分の意見を押し通します。
しかも、夫とは、言葉のキャッチボールが成り立ちません。
夫は、自分の言いたいことを一方的に言い募るだけ。
私が話しても、夫は、聞いていなかったり、全く違う話を始めたり。
自分が夫を配偶者として選んだことを、何度、後悔し、自分を責めたたことか。
そんな私が、夫を配偶者に選んだことについて、目からウロコが落ちるような気づきを得ました。
親に似た特徴をもつ配偶者を選んでしまう
親との間に「愛着」の問題がある場合、親と似たような相手と結婚しがち。
親の姿を配偶者に重ねて、親がしてくれなかったことを配偶者にしてもらおうとするんだ。
でも、結局、してもらえないから、傷つきを重ねてしまうんだよね。
臨床心理士の光元和憲先生の勉強会に参加していた際。
光元先生のコメントを聞いて、私はハッとしました。
これって、私のことじゃないの!
ちなみに、「愛着」とは、幼い子どもが、自分の世話をしてくれる大人との間に、心理的な結びつきを築いていくことを言います。
「愛着」が形成されると、子どもの中に、自己肯定感、他者に対する信頼感、自分を取り囲む世界に対する安心感の基礎となる感覚が育まれます。
一方、何らかの事情で、自分の世話をしてくれる大人との間に、きちんとした「愛着」を築くことができない場合。
子どもは、情緒不安定になりやすく、対人関係にも問題が生じやすくなります。
私の母は、私が幼いころから、私を頭ごなしに叱りつけ、ないがしろにすることをくり返していました。
母には母の事情があり、長子である私に気持ちをぶつけないと、やりきれなかったのかもしれません。
ですが、私は、母との間に「愛着」を築くことが難しくなっていました。
それが、まさか、配偶者の選択にも影響していたとは!
改めて考えてみると、似ても似つかないと思っていた夫と母に、共通点があることに気づきました。
- 「○○すべき」という強い信念をもっており、全ての人がそうあらねばならないと思っている。
- 正義感が強く、人をだますようなことは決してしない。
- 自分の思い通りにならないことがあると、関係している人に対して腹を立てる。
- 自分の考えは正しいと信じており、なかなか他者の意見に耳を貸さない。
夫と母に共通点があることを認識すると、さらに気がついたことがありました。
私は、母に対して、「自己中心的で、怒りっぽく、頑固なところを変えてほしい」と願っていたんだ。
でも、母が自分の在り様を変えることは、かな~り難しい。
だから、母の代わりに、夫に変わってもらって、私の切なる願いをかなえたかったんだ。
発達凸凹(発達障害)の配偶者を選んでしまう
親が暴力をふるう家庭で育った女性は、自閉スペクトラム症(ASD)の男性と結婚しがち。
ASDの人は、他人にあまり関心がないから、暴力もふるわない。
だけど、ASDの人とは、コミュニケーションが成り立たないから、苦しい思いをするんです。
※自閉スペクトラム症(ASD)とは、発達障害の一種で、「コミュニケーションがうまく取れない」「人との関わりが苦手」「こだわりがある」といった特性があります。
あるオンデマンドの研修会で、精神科医の杉山登志郎先生の話を聞いたとき、私は、またまたハッとしました。
ドンピシャじゃないけど、これって、私のことじゃないの!
夫との結婚を決めた際、「この人は私を裏切らない」と感じたことを思い出しました。
発達障害がある人や、診断がつかないまでも発達障害の特徴をもつ発達凸凹の人は、気持ちの裏表がありません。
また、ASDの傾向をもつ人の場合、臨機応変に他者と関わっていくことも苦手。
つまり、関係する人たちを器用にだましながら、浮気や不倫をすることが得意ではないのです。
私は、「母から選ばれない」という体験を重ねてきました。
母は、私が幼いころから、私の弟や妹ばかりをかわいがっていたからです。
そのため、「私は選ばれない人間だ」と信じ込んでいました。
そして、たとえ結婚したとしても、配偶者が別の女性と関係をもち、私を裏切るに違いないと怖れていたのです。
そんな中、夫と知り合いました。
私は、夫の裏表のないところ、対人関係に不器用なところに、安心感を覚えたんだ。
そして、私だけを選んでくれる人を、心から求めていたのね。
遅ればせながら、そのことに気づきました。
私の中の切なる願いに気づくと夫との関係が変わっていった
ママの代わりに、ママそっくりなダンナさんが変わるところを見てみたい。
そして、私を選んでほしい。
切なる願いを抱えていたのは、私の中にいる幼い子ども。
インナーチャイルド(傷ついた子ども)と呼ばれる存在です。
その子の切なる願いを知ると、夫を配偶者に選んだことにも大切な意味があったんだなあと、胸打たれる気持ちになりました。
それまでは、夫と結婚したことを後悔し、夫を配偶者に選んだ自分を責めるばかりだった私。
自分の中にあった切なる願いに気づいたことで、夫に対する私の心もちが変わっていきました。
私の中の幼い子どもが、一生懸命に人生を模索している。
それなら、その子の願いをかなえてやろうじゃないの!!
夫との関係を変えていこうという意欲が生まれました。
今は、あんなに偏屈だった夫が、「ごめんね」と謝ったり、私のお願いを聞いてくれたりするようになっています。
※私自身を見つめる作業を重ねながら、夫との関係が改善していったことについては、こちら。
一見すると、誤った判断をしているような場合でも、大切な願いが潜んでいることがあります。
自分に気づくための材料は、あちこちに転がっていることを痛感しました。
偶然のような必然を大切にしていきたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。