人気の記事


自分を責めさいなむ「内なる子ども」を静かにさせる【私が自分を生きるまで㉔】

2024年9月10日

母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間」と信じ込んで生きてきた私。

「自分を生きる」ために、努力を重ねていきます。

苦しい思いの根本にあったのは、私自身を責めさいなむ「内なる子ども」でした。

試行錯誤を重ねながら、「内なる子ども」を静かにさせる方法を見つけたことについて、お伝えします。

 

自分を責めさいなむ「内なる子ども」の存在

 

苦しい思いの根本にあったのは、私自身を責めさいなむ「内なる子ども」の存在。

 

私が失敗したり、思い通りの結果を出せなかったりすると。

その「内なる子ども」が、私のことを「ダメ人間」と決めつけ、ダメ出しの嵐が止まらないんです。

挙句の果てに、「世界中の人が私を許しても、私が私を許さない!!」と言い出す始末。

 

四六時中、「内なる子ども」からのダメ出しを受け、頭ごなしに否定されるんですから。

心が削れて、元気がなくなるのは、致し方なし。

 

この子が静かになれば、気持ちが楽になるはず。

 

私は、私自身を責めさいなむ「内なる子ども」に対処してみることにしました。

 

※手強い自責の念の正体が、「内なる子ども」だったと気づいたことについては、こちら。

 

自分を責めさいなむ「内なる子ども」を消せばいい?

 

自分を責めさいなむ「内なる子ども」を、消してしまえばいい。

 

自分を責めさいなむ「内なる子ども」に苦しんでいる人なら、そう願ってしまうのではないでしょうか。

数年前まで、私も、「自分を否定する部分をなくしてしまえばいい」と思っていました。

 

ところが、なくそうと思えば思うほど、自分を否定する部分が強まり、自分で自分の首を絞めることになるのです。

私も、泣くほど苦しみました。

なぜ、簡単に消し去ることができないのでしょうか。

 

一見、ネガティブに見える存在でも、ポジティブな部分を持ち合わせているから。

 

ちなみに、私自身を責めさいなむ「内なる子ども」は、私という存在に対して、切なる願いを抱いてます。

 

ひとかどの人間になってほしい。

 

切なる願いがあるからこそ、ひとかどの人間になるために、努力を重ねることができます。

私が頑張る原動力ともなってます。

 

ところが、切なる願いを抱いているからこそ、ひとかどの人間になれていない私を目の当たりにすると、ガッカリして、腹が立ち、罵倒せずにはいられなくなってしまうんです。

 

自分を責めさいなむ「内なる子ども」を消そうとすると、切なる願いまで消すことになるので、消し去ることが難しい。

 

そのため、自分を責めさいなむ「内なる子ども」を消し去るのではなく、静かにさせることが、賢明なやり方なのです。

 

自分を責めさいなむ「内なる子ども」を外在化する

 

私は、私の心の中にいる存在を「7人のキャラクター」として認識しており、自己理解とセルフケアに役立てています。

実は、ひとり一人が何歳ぐらいか、どんな性格や役割があるかに思いをはせながら、ビジュアル化し、名前をつけているんです。

 

早速、私自身を責めさいなむ「内なる子ども」をキャラクター化する作業に取りかかりました。

 

その子は、8~9歳ぐらいの女の子。

体操着姿(半袖、短パン)で、メガネをかけ、髪を2つに結んでいる。

学級委員とか、風紀委員をしているような感じで、とっても口うるさい。

 

私は、その子に、「なおなお」という名前をつけました。

 

心の内側にあるものを、自分とは別のもののように対象化することを、心理学では「外在化」と言います。

たとえば、心の中にいる「怠け虫」とか、「意地悪小僧」とか。

「外在化」することで、心の中にあるものと距離が取れ、客観的に見ることができるため、扱いやすくなります。

 

私は、私自身を責めさいなむ「内なる子ども」を、「なおなお」というキャラクターとして、外在化しました。

そして、「なおなお」を静かにさせるための方法を模索していきます。

 

※心の中にあるものをキャラクター化して対応していくことについては、こちら。

 

自分を責めさいなむ「内なる子ども」を静かにさせる方法

 

「なおなお」と対話をするときに役に立つのが、「マインドフルネス」の状態。

「マインドフルネス」の状態になると、顕在意識と言われる理性的な意識が低下していき、無意識にあるものが現れやすくなるんです。

 

ゆっくりと深呼吸をしながら、目をつぶり、今自分に起きていることに意識を向ける「マインドフルネス」の状態になって。

「なおなお」のイメージが浮かんできたら、大人の私が「なおなお」に声をかけるというやり方で、対話を試みるのです。

 

「なおなお」を静かにさせようとして、試行錯誤を重ねた私。

「うまくいかなかった方法」「うまくいった方法」について、ご紹介しますね。

 

うまくいかなかった方法

気持ちに寄り添ってみる

「なおなお」の気持ちに寄り添ってみました。

 

ひとかどの人間になれないから、怒っているんだね。

何をやってもダメな人間だと思って、ガッカリしちゃってるんだね。

 

「なおなお」の気持ちを言葉にしたり、怒りや悲しみごと抱きしめるイメージを浮かべたりしても。

 

気持ちを分かってもらえるのは、ありがたいけど。

ダメ人間は直らないから、意味がないじゃない!

 

残念ながら、火に油を注ぐ感じで、「なおなお」の怒りや不満は、さらにヒートアップ。

失敗に終わりました。

 

説得してみる

先ほどのように、「なおなお」の気持ちに寄り添ってみた後。

「なおなお」を説得する言葉をかけてみました。

 

「なおなお」は、私に、「ひとかどの人間になってほしい」と思っているんだよね。

そう思って、私を叱咤激励してくれて、ありがとうね。

 

ただ、「なおなお」の言い方だと、「きいちゃん(私の中の傷つきやすい内なる子ども)」が、しょんぼりしちゃうの。

「きいちゃん」がしょんぼりすると、エネルギーが出なくなって、「ひどかどの人間になる」という目標から、遠ざかってしまう気がするんだ。

「ひとかどの人間になる」という目標を、少しでも早く達成するために、「きいちゃん」が元気になるような言葉かけを考えてくれないかな。

 

すると、「なおなお」は、ぐうの音も出ない感じになり、一時的に静かになります。

ですが、うまくいかないことが起きると、「なおなお」は、やっぱり文句を言い始めちゃう。

「ひとかどの人間になってほしい」という願いを捨て去った訳ではないからです。

 

それに、「なおなお」は、罵倒することで、相手を鼓舞させ、矯正する方法しか知らないみたい。

相手に優しい言葉をかけて、頑張らせるなんてレパートリーは、皆無なんですよね。

 

この方法も、失敗に終わりました。

 

うまくいった方法

代替案を提案する

「なおなお」は、思い通りにいかないときに、優しい言葉かけをするレパートリーを持ちあわせていないので。

「なおなお」を、説得するのではなく、代替案を提案してみました。

 

「なおなお」の言い分は、もっともなんだけど。

「きいちゃん」が、しょんぼりしちゃって、パフォーマンスが悪くなる気がするんだよね。

ここはひとつ、「ひとかどの人間になる」という目標を達成するための提案を受けてみない。

「なおぞう君(私の心の中のキャラクター。情報を集め、分析し、考えるのが好き)」と、「ソルジャーなお(私の心の中のキャラクター。仕事や作業の実働部隊となっている)」に任せてみては、どうかな。

この2人がどう解決してくれるかを見守って、それから、どうするか考えよう。

 

そんな風に「なおなお」に提案すると。

「なおなお」は、渋々という感じではあるものの、静かになりました。

 

ありがたいことに、「なおぞう君」「ソルジャーなお」は、失敗したことを挽回すべく、活躍してくれるんですよ。

「なおなお」が静かな状態だと、「なおぞう君」「ソルジャーなお」も、力を発揮しやすいみたい。

 

「なおなお」が静かだと、良い結果が出る、ということを、「なおなお」に報告する。

「なおなお」が、安心する。

 

そんなことをくり返すうちに、「なおなお」が静かになる時間が増えていきました。

 

チヤホヤする

一日の終わりに、「自分の心の中のキャラクターたちをチヤホヤする」という取り組みを始めた私。

 

きっかけは、「一人ぼっち」「居場所がない」という気持ちをやわらげるためだったのですが。

続けるうちに、「なおなお」が静かになってくことに気づきました。

 

そのため、「なおなお」が日常生活で、登場しても、しなくても。

一日の終わりに、「なおなお」をチヤホヤすることにしています。

 

「なおなお」は、私がひとかどの人物になれるように、いつも心配してくれているんだね。

いつも本当にありがとう。

失敗したときは、私に喝を入れて、鼓舞しようとしてくれるんだね。

私が、日々を何とかやっていけているのは、「なおなお」のお陰だよ。

 

そんな風に「なおなお」に声をかけると、「なおなお」は、ドヤ顔になり、ご機嫌になります。

「なおなお」の態度を軟化させ、静かにさせるために、今、一番使える方法です。

 

「なおなお」と私の母は似ている

「なおなお」を静かにさせるための方法を模索するうちに、気づいたことがあります。

 

「なおなお」と私の母って、とてもよく似ている。

 

私の母は、気持ちに寄り添ってもらっても、望むような結果が出ないと不快になる。

それに、説得されると、理解する力はあるから、その場は静かになる。

でも、思い通りにならないときに、相手を責める以外の方法を知らないから、責めて責めて責め抜いてしまう。

 

代替案を出されれば、結果が出るまで待つことはできる。

良い結果が出ると、喜ぶ。

チヤホヤされるのは、大好き。

 

今後、私の母が喜びそうなことを試して、レパートリーを増やしていこうと考えています。

 

 

自分自身を責める「内なる子ども」は、あなたの近くにいる大人、おそらく、近親者の姿を取り入れています。

その相手をイメージして、相手が納得しそうなこと、喜びそうなことを、「内なる子ども」にしてあげてみてください。

「内なる子ども」の態度が変わっていくかもしれませんよ。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

※心を整えるためには、自責の念だけでなく、自分の頑張っている部分にも注目することが必要だ、という気づきが訪れました。

新着記事のお知らせを配信しています。フォローしてくださいね!