心理カウンセリング1年分の効果がある「集中内観(内観療法)」
初めて集中内観へ行ったとき、6泊7日で、母に対する怒りが、なくなりました!
世間では、あまり知られていない、集中内観。
知らないでいるのは、あまりにももったいないので、体験者しか知らない情報をお伝えします。
内観とは?
大学院修士課程の時代。
ある教授から、「教育分析を何年も受けるなら、内観をしたほうがいいよ」と言われました。
ちなみに、教育分析とは、カウンセラーを目指す人が、自分の課題を解決するために、カウンセリングを受けるものです。
教育分析を打ち切られたとき、ふと、教授の言葉を思い出し、私は、集中内観に行ってみることにしました。
※教育分析を打ち切られたことについては、こちら。
「内観」とは、内観法、内観療法とも呼ばれています。
文字通り、自分の「内側」を「観る」こと。
「内観」は、1940年代に、吉本伊信(よしもといしん)が、「見調べ」という浄土真宗の修行法から、苦行の部分をとり除いて、発展させたものです。
日本で生まれた心理療法、と言ってもいいかもしれません。
集中内観
「集中内観」とは、内観研修所という施設に、6泊7日、滞在し、内観をおこなうものです。
「そんなに長い期間!」と初めは思うのですが、集中して内観に取り組むことができるのは、早くても4日目ぐらいから。
自分の内側を見るためには、態勢を整える時間が必要なんです。
スペース
内観研修所では、ふすまを2枚合わせたような屏風を部屋の隅に置き、壁と屏風の間、半畳ほどのスペースで、6:00~21:00まで過ごします。
座布団1枚を置いて、周りにちょっとゆとりがあるぐらい。
せまいスペースですが、自由な姿勢で過ごしてOKです。
内観研修所が混んでいるときは、1部屋に4人。
部屋の四隅に、1人ずつ。
同室者がいても、基本的に、おしゃべりをしてはいけません。
自由が制限される
スマホ、テレビ、新聞、本などを、見ることはできません。
基本的に、屏風の中で、内観をして過ごします。
屏風から出るのは、
- 朝のお掃除:起床したらすぐ、担当の場所を掃除する。
- お茶をくみにいく:廊下などに、お茶が入ったポットが置いてある。自分専用の湯飲みが与えられており、それにお茶を入れて飲む。
- トイレ:廊下などに、共同のトイレがある。
- お風呂: 1人あたり20分~30分。割りあてられた時間に入る。自分の好きな時間には入浴できない。
- 布団で寝る:夜になったら、押入れから布団を出し、自分で敷く。朝起きたら、布団をたたみ、押入れにしまう。
食事は、三食、お膳に乗せられて、運ばれてきます。
立てた屏風の内側にお膳を引き入れ、そこで食べます。
私にとって、集中内観で、ただひとつの楽しみでした。
食事中に、内観についての話や、集中内観体験者の話などの音声を流すところも。
刺激に飢えているので、思わず、聞き入ってしまいます。
刺激をできるだけ遮断した状態で過ごすことで、感覚がとぎすまされていき、自分の内側を観るための態勢が整っていくのです。
余談ですが、私は、集中内観を終えた直後、人ごみに戻ると、たくさんの人や騒がしい音に圧倒され、酔ったような感じになります。
内観のやり方
内観では、自分の経験をふりかえり、思い出すことを「調べる」と言います。
調べること
特定の相手に対して、
①してもらったこと
②して返したこと
③迷惑をかけたこと
「して返したこと」ですが、「母が勉強してほしいと言うから、頑張って良い成績をとった」と調べるのは、NG。
相手のためを思って、自主的に考えてしたことを、「して返してこと」として、調べていきます。
いやはや、自分がして返したことが、いかに少ないか…。
「迷惑をかけたこと」ですが、「おねしょをした。でも、小さかったから、しかたがない」と調べるのは、NG。
相手に迷惑をかけるつもりは、まったくなくても、最終的に相手に迷惑をかけていたことを、「迷惑をかけたこと」として、調べていきます。
「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」は、普段は、考えてもみないものです。
たいていの場合、「親にしてほしかったのに、してもらえなかったこと」、「親にされて嫌だったこと、迷惑だったこと」、をよ~く覚えています。
「親に感謝するためにやるんでしょ」という意見をよく聞きます。
ですが、内観が目指すところは、「親に感謝する」ことではなく、「自分のものの見方を広げる」ところにあるのです。
調べる対象
自分にとって、近しい人たち。
一番近しい人から、順番に、おこなっていきます。
最後に、自分にとって一番近しい人に対して、もう一度。
ちなみに、私が2014年の春に、12回目の集中内観を行った時は、母→父→夫→息子→弟・妹→姑(義母)→祖父母→職場の人たち・友だち→母、の順番でした。
ほかに、親戚、学校の恩師、彼氏・彼女などに対して、おこなう人もいるでしょう。
調べる年代
生まれた時から現在まで、数年単位で区切って、調べていきます。
たとえば、母に対して、私が生まれてから小学校に上がるまでに、してもらったこと、して返したこと、迷惑をかけたこと、を調べる。
次は、母に対して、小学校1年生から3年生までの私を調べる。
母に対して、数年単位で区切って調べていき、現在まで調べ終わったら。
次は、父に対して、同じように調べていく。
年を重ねている人ほど、現在にたどり着くまでに時間がかかります。
面接者の面接
数時間おきに、面接者(内観研修所の所長など)がやってくるので、調べたことについて報告します。
せいぜい数分です。
面接者は、基本的に傾聴するのみで、コメントはしません。
おおっぴらに人と話ができるのは、この面接者との面接だけ。
面接者がまわってこないと、ついつい居眠りなどしてしまいますが、やってくる時間がだいたい決まっているので、気持ちがひきしまります。
でも、私は、面接者がリアクションしてくれないと、ちゃんと聞いてもらえていない感じがして、寂しくなります。
オプション
「嘘と盗み」
定番の3つの項目と同じように、年代を区切って、「自分がついた嘘、盗みを行ったこと」を、調べていきます。
調べていくうちに、「うわ、私ったら、こんなに嘘をついてる。盗みをしてる」と思い、罪悪感がじわ~っと…。
なかなかの苦行です。
「養育費の計算」
生まれてから現在まで、親にかけてもらったお金を計算していきます。
具体的な金額を出すことで、思っていた以上に、親が自分にお金をかけてくれていたことを知り、衝撃を受けます。
「うらみ帳」
怒りや恨みが、次々と出てきて、調べられない、という場合。
紙に、恨みや怒りを、箇条書きで書いていきます。
紙に書き出すと、スッキリして、内観に集中して取り組めます。
「相談」
どうしても内観が進まないとき、内観研修所の所長が、相談に乗ってくれます。
修行のような要素の強い「集中内観」ですが、効果はとても高いです。
教育分析(精神分析療法)を2年間受けても、なくならなかった、母への怒り。
それが、初めての「集中内観」、しかも、たった1週間で、母への怒りが、なくまりました!
費用も、1週間で6~8万円ぐらいですので、コスパも高いです。
※母への怒りがなくなった詳細については、こちら。
※おススメの内観研修所は、こちら。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。