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自分の心の内面をキャラクターとして理解する【私が自分を生きるまで⑤】

2024年8月6日

母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。

「自分を生きる」ために、努力を重ねていきます。

悪戦苦闘、試行錯誤の末。

自分を理解することによって、苦しい思いが解きほぐれていきました。

 

心の内面には、さまざまな部分がある

 

小さい頃から、母に否定的な言葉を投げかけられて育ちました。

失敗すると、バカ扱い。

弟や妹と比較して、いかにダメな人間かを、あげつらわれる。

 

とはいえ、そんな母も、生い立ちや嫁姑関係などで、つらい思いを重ねてきました。

長子である私に八つ当たりでもしないと、やっていけなかったのでしょう。

ですが、幼い私は、そんなことを知るよしもありません。

 

母に否定され続けた私は、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきました。

「自分は要らない人間だ」というスイッチが入ると、地獄の業火で焼かれるような、本当に苦しい思いに包まれます。

 

自分のことが嫌い。

私みたいなダメ人間は、死んでしまったほうがいい。

 

でも、本当は死にたくない。

心軽やかな日々を送ってみたい。

 

「心軽やかな日々を味わってみたい」という一心で、努力を重ねていきます。

すると、徐々にではありますが、自分の内面で起きていることが、分かってきました。

 

私の中には、自分を否定する部分もあるけれど、自分を肯定する部分もある。

自分を形作るのは、1つではない。

相反する部分があるから、葛藤して、苦しくなる。

 

自分の心の内面には、自分を形作っている、いくつもの部分があることに、気づきました。

そして、その部分が、互いに反発し合ったり、助け合ったりしている。

 

そこで、私は、自分の内面に存在する、さまざまな部分を、擬人化してみることにしました。

具体的、かつ、詳細に、イメージしていきます。

 

自分の内面に存在する、さまざまな部分。

特徴(性格のようなもの)。

姿かたち。

服装。

年齢。

ピッタリくる名前

 

最終的に、自分の内面に存在する、さまざまな部分を擬人化して、「7人のキャラクター」が浮かび上がってきました。

 

心の内面にあるものを、擬人化してとらえる

 

自分の内面に存在する、さまざまな部分を、擬人化していく。

何度もイメージして、それでピッタリくるか、確かめながら。

最終的に、私の心の中に、「7人のキャラクター」がいることが分かってきました。

 

なおちゃん

「なおちゃん」は、天真爛漫で、元気いっぱいな、3~4歳ぐらいの女の子。

おかっぱ頭に、白いブラウス、赤いスカート。

「ちびまるこちゃん」と「アルプスの少女ハイジ」を足して割ったような姿。

「SPY&FAMILY」の「アーニャ」の要素も入ってます。

 

私の原動力の源。

好奇心に満ち、相手の個性を見つけて好きになります。

物事を「善い悪い」ではなく、「好き嫌い」で判断。

喜怒哀楽がハッキリしている。

どんなときも、自分の思いに正直に突き進みます。

 

きいちゃん

「きいちゃん」は、「なおちゃん」の背中に、皮のように張りついている、3~4歳ぐらいの女の子。

「アルプスの少女ハイジ」の「クララ」を幼くしたような姿をしています。

私の母がもっている一側面に似ているので、母の名前をつけました。

 

普段は、存在感が薄くて、「きいちゃん」がいることに気がつきません。

でも、常に不安におびえています。

そして、思い通りにならないことがあると、「やっぱり私は要らない子!」と、猛烈に嘆き悲しむ。

嘆き悲しむ「きいちゃん」は、大きくふくれあがって、私の心の全領域を支配し、他のキャラクターが凍りつきます。

そうすると、もう、苦しくて苦しくて、息が止まりそうに!

 

おそらく、「インナーチャイルド」と呼ばれる「傷ついた子ども」です。

ある意味、私の中にある「自分を責める内なる声」の一人とも言えます。

生きることが苦しくなる根底には、「きいちゃん」の「やっぱり私は要らない子!」の発動があるのです。

 

一方、「きいちゃん」は、とても優しい。

困っている人、傷ついている人を見捨てません。

義理人情にも厚い。

私の母も、こうした優しさを持ち合わせていたような気がします。

 

タカハシさん

「タカハシさん」は、指示を飛ばし、ダメ出しをする、20代~30代の厳しい女性。

「女王の教室」というドラマに出ていた、女教師みたいな姿。

ひっつめ髪に、黒いワンピースを着ています。

 

「タカハシさん」は、いやはや、口うるさいったら、ありゃしません!

ああせい、こうせい、ああすべき、こうすべき、それはダメ、あれはダメ、全然なってない。

無理難題に近いような指示を出し、その指示に従わないと、叱責をくり返す。

私の中にある「自分を責める内なる声」の一人です。

 

でも、「タカハシさん」は、「なおちゃん」と「きいちゃん」が幸せになることを、切に願っています。

ただ、「理想的な良い子」になれば、幸せになると思い込んでいるのが、浅はかな感じ。

それに、子どもへの関わり方が分からなくて、叱責することで子どもの行動を変えようとしてしまう。

 

私の母の分身みたいな存在です。

なので、母の名字(私の旧姓)をつけました。

 

最近では、随分と穏やかになり、金切り声をあげて私を叱責することが減っているんですよ。

「今は、〇〇したほうがいい」などと、静かに的確な指示を飛ばしてくれる、頼もしい存在になっています。

 

「タカハシさん」は、物事を悪いほうへとねじ曲げて考える、「考え方のクセ」のようなもの。「考え方のクセ」の見つけ方については、こちら。

 

「タカハシさん」は、母の思考の再体験(認知・思考的フラッシュバック)でもあるようで、簡単なタッピングで消えてしまいました。

 

なおなお

「なおなお」は、8~9歳ぐらいの女の子。

体操着姿(半袖、短パン)で、メガネをかけ、髪を2つに結んでいる。

学級委員とか、風紀委員をしているような感じで、とっても口うるさい。

 

普段は鳴りを潜めているのだけど、私が失敗したり、思い通りの結果を出せなかったりすると。

急に怒り出し、「なんで、そんなことするの!ダメでしょう!」と、ギャンギャン文句を言い始めて、止まらない。

最終的には、私に対して、「世界中の人が許しても、私が許さない!!」と言い出す始末。

 

でも、「なおなお」は、意地が悪い訳ではありません。

「なおちゃん」と「きいちゃん」に、スゴイ人になってもらい、私の母に認めてもらいたい、という切なる願いをもっているのです。

ただ、スゴイ人になってもらうために、厳しいダメ出しをする、という方法しか知らないのが、玉にキズというところかな。

 

「タカハシさん」の娘みたいな感じ。

私の中にある「自分を責める内なる声」の一人です。

 

「なおなお」の存在に気づき、正体に行きついたのは、こちら。

 

「なおなお」のご機嫌の取り方については、こちら。

 

ソルジャーなお

「ソルジャーなお」は、11~12歳ぐらいの少年兵。

軍服を着て、ヘルメットをかぶっている。

「トイストーリー」に出てくる兵士(グリーンアーミーメン)みたいな姿をしています。

 

「なおちゃん」と「きいちゃん」を攻撃する敵がいないか、常に警戒をおこたりません。

敵を発見したら、攻撃するか、撤退するか、関係を断つ(心の中で相手の存在を切り捨てる)。

 

また、疲れ知らずで、せっせと任務を遂行する勤勉さ、物事を極めたいという一面も

私が、現実世界で、仕事、作業、家事をするときは、「ソルジャーなお」が大活躍!

「なおちゃん」や「きいちゃん」の願いをかなえるために、休憩も取らずに黙々と働いてくれます。

 

なおぞう君

「なおぞう君」は、10歳ぐらいの少年。

いがぐり頭で、メガネをかけ、白いランニングに、半ズボン姿。

いつも図鑑をもっていて、ひまさえあれば、図鑑をながめています。

 

知識や情報を集め、分析・探究することが、大好き。

いつも、あれこれ考えている。

必要に応じて、収集した知識や情報を提供してくれ、客観的なコメントをくれます。

私が、現実世界で仕事や作業をするときには、「なおぞう君」がいないと始まらないほどです。

 

それに、「なおぞう君」は、私が自分自身を理解する際に、とても心強い味方。

心の内面で起きたことを整理し、心理学の知識と結びつけて考え、心を穏やかにするための方法を模索しています。

「なおぞう君」は、「7人のキャラクター」を同定する際にも、活躍してくれているんですよ。

 

なおさん

「なおさん」は、ありがたいお言葉をくださる、年齢不詳、性別不詳の存在です。

フラリと現れては、ボソリとひと言つぶやいて、去っていく。

そんな「なおさん」の言葉に接すると、す~っと心が軽くなります。

 

「なおさん」は、時折、ありがた~いお言葉を発するのですが。

「啓発本に書かれている言葉みたい」と言われたことがあるので、誰かが言ったことをパクッているだけかもしれません。

  • あなたに起こることは、すべて正しい。
  • 与えられた環境で生き切るしかありません。
  • 人に愛を与えたければ、まず初めに、自分を愛で満たしなさい。
  • 人生にムダはない。ムダだと判断する、考えがあるだけです。

 

それから、「なおさん」は、ご縁やめぐり合わせ、天の力のようなものを重んじています。

  • 大いなる存在が、私とこの人、この出来事とを結びつけてくれた。
  • 世の中の全てのものの出合いは、大いなる存在に導かれている。

 

「なおさん」の言葉を聞くと、視野が広がる感じがして、心がほどけます。

 

心の内面をあるものを、キャラクターの関係性として理解する

 

心の内面で起きていることを、「7人のキャラクター」として擬人化したあと。

その「7人のキャラクター」の相関図を考えてみました。

 

「なおちゃん」「きいちゃん」が中心に位置しているんですよね。

小さな子ども2人を守るために、他のキャラクターが生まれてきたことが分かります。

私が生きのびるために作られた布陣なんだなあ。

 

相関図をもとにして。

私が苦しい思いをするときに、心の内面で起きていることを、キャラクターの関係性として、考えてみました。

 

思い通りにいかないこと、心配なことがあると、「きいちゃん」が、ふっと不安になる。

⇒「タカハシさん」「なおなお」が、「何とかせねば!」と思い、「きいちゃん」を奮起させるために、厳しいダメ出しをくり出す。

「きいちゃん」が、「タカハシさん」「なおなお」の言葉に深く傷つき、「やっぱり私は要らない子。私はダメ人間」と激しい自己否定をくり広げる。

 

「タカハシさん」「なおなお」の自責の言葉が激しくなると、「きいちゃん」の自己否定の思いが強まる。

この流れが、エンドレスループのようにくり返されるにつれ、苦しい思いが募っていきます。

結局、自責の言葉も、自己否定の思いも、自分の心を削るばかりだからです。

 

苦しい思いが生まれるメカニズムが分かってくると、対処法も浮かぶようになります。

まずは、ダメ出しをする「タカハシさん」「なおなお」に、感謝してみよう。

次に、「きいちゃん」を慰めてみよう。

などなど。

 

私の場合、心の内面で起きていることを、「7人のキャラクター」として擬人化されてきたら。

次第に、苦しい思いに対処できるようになっていきました。

自分を理解することが、苦しい思いを対処することにつながった、とも言えます。

 

心の内面で起きていることを、擬人化したことのメリット。

距離を置いて、ながめることができるようになった。

 

キャラクターとしてイメージすると、自分とは違った人間を観察するような気持ちになります。

そのため、苦しい思いに飲み込まれそうになりながらも、やや客観的に、自分を見ることができるのです。

 

心の距離ができると、苦しい思いに対処するためのゆとりが生まれます。

そこにいたるまで、かなりの時間がかかりましたけどね~。

 

自分に対する理解が進んでいくと、苦しい思いに対処することが、以前より、たやすくなりました。

何事も、「傾向」を理解してこその「対策」なんですね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

続きはこちら。苦しみが生まれるメカニズムが分かってくる、そんな体験をしました。


※自分の心の内面を理解する、もっと簡単な方法については、こちら。

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