発達凸凹のお助けツール「マインドマップ」
私は、イメージが優位なタイプなので、人の話を聞いていると、すべて映像に変換されてしまいます。
そのせいか、必要な情報が抜け落ちるし、メモをとっても、どこに何が書いてあるか、すぐには見つからない。
今回は、発達凸凹があるために、混乱状態におちいりがちな私を救ってくれた「マインドマップ」について、お伝えします。
※「発達凸凹」とは、発達障害の診断はつかないまでも、生まれつき得意なことと苦手なことの差が大きい状態をいいます。
「マインドマップ」とは?
「マインドマップ」は、ノート術です。
ビル・ゲイツをはじめ、世界で2億5千万人以上が使っている、脳を活性化する思考技術。
従来のノート術は、縦書きなら右から左へ、横書きなら上から下へと、「文章」を順番に並べて書きます。
でも、マインドマップは、中心から外側へ向かってひかれた線の上に「単語」や「絵」を書き入れる、図形のような見た目です。
発明したのは、英国人のトニー・ブザン。
トニー・ブザンは、「学び方を学ぶ」分野での世界的権威で、一流企業、政府、政府教育機関のコンサルタントとしても知られています。
「マインドマップ」の書き方
①準備
線のない白い紙(A4サイズ以上がおススメ。A4サイズの白紙ノートでもOK)。
カラーペン。
紙は横向きに使う。
②中心(セントラルイメージ)
紙の中心に、書きたいテーマをイメージする絵を描く。
3色以上を使ってカラフルに描くと、イメージがわきやすくなる。
③ブランチ(枝)をのばす
中心に描いた絵から、太めの枝(メイン・ブランチ)をのばす。
中心に近い部分は太めに、先は細めに描く。
直線ではなく、やわらかくカーブを描くようにする。
放射状にのばしていき、あとから書き足せるように、隙間をあけておく。
④文字を書く
メイン・ブランチの上に、重要なキーワードを「単語」で書き入れる。
小さなイラストなどを入れると、脳が活性化する。
⑤どんどんのばす
メイン・ブランチの先から、さらに、細い枝(サブ・ブランチ)を枝分かれするようにのばしていく。
先に行くほど線が細くなるようにする。
⑥強調する・結びつける
必要に応じて、大切なキーワードをまるや雲で囲む、関連するキーワード同士を線で結ぶ。
「マインドマップ」の学び方
私は、速読法の研修会で「マインドマップ」を知り、「これは使える!」と感じました。
それで、「マインドマップ」に関する書籍を4~5冊読んで学び、我流で書くように。
とはいえ、講座でしっかり学んだほうがいいと言われていたので、「マインドマップ」を仕事で使い始めて5~6年が経ったころ、講座に参加しましたが…。
新しく学んだのは、ブランチを描くときにひねりを加えること、イラストを多めに入れること、だけ。
講座の主催者には言えませんが、書籍だけでも十分に学べます。
「マインドマップ」を学ぶ際におススメの本を紹介しますね。
トニー・ブザン(著)、神田昌典(訳)(2006)「マインドマップ(R) FOR KIDS 勉強が楽しくなるノート術」ダイヤモンド社
※イラストがたくさん描かれていて分かりやすい! 私の一番のおススメ。
トニー・ブザン(著)、近田美季子(監訳)(2009)「マインドマップ記憶術」ディスカヴァー・トゥエンティワン
※イメージを使った記憶法などについても書かれており、マインドマップと合わせて何かを覚えたいときにおススメ。
トニー・ブザン(著)、近田美季子(監訳)(2009)「マインドマップ読書術」ディスカヴァー・トゥエンティワン
※マインドマップを使って、読んだ本の内容を整理し、記憶したいときに、おススメ。
トニー・ブザン、バリー・ブザン(著)、近田美季子(訳)(2013)「新版 ザ・マインドマップ(R)」ダイヤモンド社
※分厚くて内容も難しいのですが、脳の使い方なども書かれており、原点からしっかり学びたい方にはおススメ。
「ミニ・マインドマップ」は日常使いにおススメ
カラーペンを使ってカラフルに描くのが、「フル・マインドマップ」。
これは、書いていても楽しいし、見た目も美しい。
でも、書くのに時間がかかる。
息子の勉強に役立てるため、「世界の気候」についてまとめたら、2時間かかりました。
今年の目標とか、何度もくり返し見る学習教材、なんてときはおススメですが、普段使いには敷居が高すぎます。
そこで、私が使い倒しているのが、「ミニ・マインドマップ」。
心理カウンセリングの記録、研修会のメモ、読んだ本の概要にも、「ミニ・マインドマップ」を使っています。
「ミニ・マインドマップ」の書き方
①準備
白い紙ならなんでもOK(紙のサイズもお好みで。私は、心理カウンセリングの記録を書く際、100均で買える「らくがき帳」を愛用)。
ボールペン(1色でもいいが、3~4色あるとなお良い)。
紙は横向きで使う。
②中心
紙の中心に、横長の楕円形を描き、中央にテーマを書く。
(心理カウンセリングなら相談者の名前、研修会なら演目、読んだ本ならタイトルなど)
②ブランチ(枝)をのばす
中心に描いた楕円から、放射状に枝をのばす(メインブランチ)。
太さは均一でOK。
④文字を書く
メイン・ブランチの上に、重要なキーワードを「単語」で書き入れる。
⑤どんどんのばす
メイン・ブランチの先から、さらに、枝分かれするようにのばしていく(サブ・ブランチ)。
太さは均一でOK。
⑥強調する・結びつける
必要に応じて、大切なキーワードをまるで囲む、関連するキーワード同士を線で結ぶ。
このとき、色のついたボールペンをつかうと際立つ。
「ミニ・マインドマップ」を仕事に使う
スクールカウンセラーとして勤務する際、心理カウンセリングの記録は、2011年から「ミニ・マインドマップ」でおこなっています。
保護者や児童・生徒、教職員と話をするとき、相手の許可が得られたら、「ミニ・マインドマップ」を書きながら、心理カウンセリングをおこないます。
記録を嫌がる人の場合は、心理カウンセリングの直後に、内容を思い出しながら、「ミニ・マインドマップ」を書き上げます。
「ミニ・マインドマップ」は発達凸凹のお助けツール
私は、発達凸凹があるために、混乱状態におちいりがち。
そんな私でしたが、「ミニ・マインドマップ」を使うことで、たくさんのメリットを得ています。
メリットその1:考えが整理される
私の場合、相手の話を聞いているうちに、何が大切かが分からなくなってしまう。
それに、相手に伝えるときに、うまく言葉にならずに、まごついてしまう。
そんな私でも、「ミニ・マインドマップ」を活用すると、考えが整理しやすくなります。
実感している効果は、以下の通り。
「主題」や「ポイント」が浮き彫りになり、考えが整理される。
言葉で相手に伝えるときに、何が伝えたいかが、見えてくる。
メリットその2:相手と情報を共有できる
話している相手が、「ここなんですけど」と、私が書いた「ミニ・マインドマップ」を指差しながら、話を進めることがあります。
視覚的にまとめたものは、相手とも情報を共有しやすい。
相手にも発達凸凹がある場合、視覚的に提示されたものは、理解を促すメリットがあるようです。
時折、相手の方から、「コピーしたものを、もらえますか」とお願いされることがあります。
メリットその3:1枚にまとまるので探しやすい
つらつらとメモを取っていると、何枚にもわたることがあります。
発達凸凹があると、必要なところを探し出すのに、ひと苦労。
でも、「ミニ・マインドマップ」なら、1つの案件に1枚。
後から振り返るときに、探しやすい、分かりやすい。
情報を整理することにも役立ちます。
デメリット
私は重宝している「ミニ・マインドマップ」ですが、デメリットもあります。
スピード感が必要なので、どうしても字が汚くなる。
話題が変わったときに、新しい枝(メイン・ブランチ)を書くのですが、新しい枝に切り替えるタイミングをつかむのが難しい。
とはいっても、メリットがデメリットを上回るので、使わないのは損です。
10年以上使っていると、書き方が身体になじんできます。
今回は、「マインドマップ」、特に、「ミニ・マインドマップ」が、発達凸凹の私のお助けツールとなっていることについてお伝えしました。
そうそう、中学時代に不登校だったという高校生に、「マインドマップ」をすすめたら、「マインドマップ」を使って受験勉強を進めて志望校に合格した、という嬉しい報告ももらっています。
目で見て理解することが得意なあなたには、特におススメなノート術ですので、ぜひ、お試しください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。