片づけが苦手な発達凸凹さんには仕組みを作って対応する
発達凸凹がある息子の部屋は、いつも散らかっていて、足の踏み場もない状態。
注意しても、私が手伝っても、しばらく経つと、ひどいありさまになっています。
そこで、いくつかの仕組みを作って対応してみたところ、部屋が比較的キレイになりました。
発達凸凹さんは片づけが苦手
息子の部屋が、足の踏み場がないほど、散らかっている。
息子の部屋を見る度、ため息が出ていました。
中学に入学してから、自分の部屋がほしいと言い出した息子。
最初は、自室が与えられたことに喜び、キレイにしていたのですが、それも束の間。
次第に散らかっていきます。
床には、教科書やノート、学習塾のテキストなどが散らばっている。
制服や体操着、部活用のウェア、私服も、床に落ちている。
飲み物が残ったペットボトルが、あちこちに転がっている。
思い返せば、幼い頃から、洋服は脱ぎっぱなし。
食事を食べたら、食べっぱなし。
洗濯物をたたむよう教えても、適当に丸めて終わり。
たたんだ洋服をタンスに、使ったものを所定の場所に収納するよう言っても、やらない。
注意すると、数回はやるものの、すぐにやらなくなる。
何度注意しても、一向に変わらない。
好きなことには熱心に取り組むけれど、興味のないことは面倒くさがってやらない。
これは、発達凸凹のある人の特徴のひとつ。
発達凸凹とは、診断がつかないまでも、発達障害の特徴をもっていることを言います。
私の息子には、発達凸凹があるのです。
私は、スクールカウンセラーとして、小学校~高校に通う児童・生徒の保護者から、片づけが苦手な子どもたちの相談を受けることがあります。
私が思うに、親が何度注意をしても、改まらない子には、発達凸凹があるのではないかと。
発達凸凹がある子に、口うるさく言ったとしても、子どもも親も嫌な思いをするだけ。
だったら、仕組みを作って対応すれば良いのです。
※発達凸凹について、詳しくは、こちら。
仕組みを作って発達凸凹さんの片づけをサポートする
思春期を迎えた息子は、一方的に注意をしても、受けつけません。
そのため、息子と話し合い、息子の意見を取り入れ、試行錯誤を重ねながら。
息子の部屋をキレイにするための仕組みを作っていきました。
教科書などは衣類収納用チェストにしまう
教科書があちこちに散らばっているため、毎朝、「〇〇の教科書がない!」と大騒ぎする息子。
そのため、教科書などを片づける仕組みを作ることにしました。
試行錯誤の末、そこそこ、うまくいったのが。
教科書などを、衣類収納用チェストにしまうといった方法。
夫が独身時代から使っていた衣類収納用のチェスト(洋服を入れる小ぶりのタンス)。
その引き出しの前面に、教科書名を書いた白いマスキングテープを貼る。
引き出しの中に、教科書などを入れる。
スペースが空いていて、もったいないなあと思うのですが、たしかに、出し入れしやすい。
息子が、「教科書がない」と大騒ぎすることがなくなりました。
塾のテキストが増えてからは、塾のテキスト用の引き出しを作るなど、工夫を重ねています。
本はベッドサイドに並べる
本は、息子のベッドサイドのスペースに並べておくことにしました。
ラノベやマンガばかりですが、見えるようにしておくと、気分が上がるようです。
読み終わったら、そこへ片づけるようになりました。
新しく買った本も、ベッドサイドに並べているようです。
教科書などは時期を決めて処分する
息子に「これ、要るの?」と尋ねたら、「要らない」と答えた教科書やプリント類。
処分した後に、「やっぱり必要だった」と泣きが入って、買い直したり、息子の友だちにコピーしてもらったり。
発達凸凹さんは、不注意だったり、先の見通しを立てたりするのが苦手なので、「処分する」際にも、工夫が必要です。
またもや、息子と話し合い、次のような仕組みを作りました。
使わなくなった教科書、プリント類、塾のテキストは、段ボール箱に入れ、しばらく保管しておく。
年度末に、「絶対要らないもの」「次年度も使うもの」「分からないもの」と、3種類に分類する。
「絶対要らないもの」を、ひもで束ねて捨てる。
手順を決め、やるべきことを具体的に伝え、私も一緒に手伝うと。
処分する作業を行った後で、困ることがなくなりました。
洋服は全てつるしておく
洋服をたたんで置いておいても、クローゼットの収納ケースに入れずに、踏み散らかす。
私が洋服をクローゼットの収納ケースにしまってあげると、今度は、洋服が見つからなくて、息子が声を荒げる。
ほとほと困り果てた私が、洋服の片づけについて、息子と話し合いを行ったところ。
洋服を収納ケースにしまうのは、どうしても面倒くさい。
収納したのを探し出すのも、大変。
そのとき、頭をよぎったのが、「発達障害サバイバルガイド」に書かれていたくだり。
「発達障害サバイバルガイド」は、発達障害当事者の借金玉さんが、生き延びるためのコツを書いた書籍です。
「たたんで収納する」「引き出しに服をしまう」は、完全に悪い文化だ。あんなことをわざわざやる必要はない。(中略)かけられる服はすべて、ハンガーにかけてしまいます。服の収納を「かける」に特化するのです。
借金玉(2020)発達障害サバイバルガイドー「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47ー ダイヤモンド社 より抜粋
すべての洋服をかけて収納することを提案すると、息子は「それ、いいかも」と賛成。
とはいえ、息子のクローゼットは小さいので、突っ張り式のハンガーラックを購入し、部屋の一角に設置することにしました。
息子の洋服はすべて、ハンガーにかけ、ハンガーラックにつるしておく。
息子の洋服を洗濯する際は、すべてハンガーを使って干し、乾いたら、私がハンガーごとハンガーラックにかける。
クローゼットの収納ケースには、パジャマ、下着、靴下だけを、入れておく。
洋服をすべてつるしておく方法は、うまくいきました。
洋服が床に散らばることが減ると、息子の部屋で物が行方不明になることが激減しています。
恐ろしい体験をすると改まる
ペットボトルの飲み残しは、何度注意しても改まりませんでした。
どうしたら良いのだろうと、困り果てていた、ある日。
息子が自室のゴミ箱に捨てた食べ残しから、大量のショウジョウバエが発生しました!
息子の留守中に気づいた私が、ショウジョウバエを処分。
ゴミ袋の中を、ブンブンと飛び回るショウジョウバエをスマホで録画し、息子に送りました。
虫が嫌いな息子は、驚愕したみたい。
それ以後、ゴミ箱に食べ残しを捨てることはなくなりました。
しかも、飲み残しが入ったペットボトルを、台所に持ってきて捨てるようになったのです。
言っても改まらないことは、恐ろしい体験をするとなくなります。
片づけが苦手な発達凸凹さんは、親から注意をされても、なかなか片づけができません。
でも、話し合いを行い、試行錯誤を重ねながら、仕組みを作って対応すると、何とかなります。
親子ともども、仕組みをうまく活用して、穏やかに暮らしたいものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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※参考・引用文献
借金玉(2020)発達障害サバイバルガイドー「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47ー ダイヤモンド社