発達凸凹が問題なのではなく、自分に審判をくだしているだけ
生きづらさを抱えている、発達凸凹のあなた。
発達凸凹が問題なのではありません。
「自分にくだす審判」が、あなた自身の首を絞めているのです。
※「発達凸凹」とは、発達障害の特徴をもちながら、診断がつかない、診断基準を満たさない状態のことです。
発達凸凹のあなたが生きづらいのは、「自分にくだす審判」のせい
生まれつき、苦手なことと得意なことの差が大きいあなた。
そんな発達凸凹のあるあなたが、日常生活を送っていてツライ思いをするのは、なぜでしょう?
別の記事でお伝えした「常識」、「期待」も、あなたの生きづらさを加速します。
ですが、あなたを一番追いつめているのが、あなたがあなた自身にくだしている「アウトの審判(ジャッジ)」。
簡単に言えば、「自分へのダメ出し」ですね。
たとえば、あなたが仕事でミスをしたとき。
①周りの人たちが、「気にしないで。だれにでもあることだから」と言ってくれる。
一方、あなたは、「こんなことでミスをするなんて、私は本当にバカ。使いものにならない」と、自分自身に対して「アウトの審判」をくだす。
すると、あなたのメンタルがやられてしまいます。
②周りの人たちが、「なんで、こんなミスをするんだよ!お前はバカか!」と、あなたを責める。
一方、あなたは、謝りつつも、「今度から、気をつければいいさ。失敗は成功の母」と考え、自分自身に対して「セーフの審判」をくだす。
すると、あなたの心にダメージはありません。
つまり、あなたが自分にくだす「審判」のうち、
「アウトの審判」は、あなたを攻撃する一番の強敵になる、
「セーフの審判」は、あなたを守ってくれる一番の守護者になる、
ということなのです。
「アウトの審判」が悪いのではない
でも、あなたがあなた自身にくだす「アウトの審判」が、「悪いこと」とは言いきれません。
隠れたメリットがあるのです。
- 「アウトの審判」の裏には、「こうあらねばならない」という理想的な自分の姿がある。
- 「理想的な自分になれたら、幸せになれるはず」と思うことが、心の支えになっている。
- 理想的な自分に向かって努力することが、向上心につながり、ある一定の成果を上げる。
「アウトの審判」の裏にある「素晴らしい理想」は、生まれてから育つまでの間に作られていきます。
親を始めとする周りの人たちから言われたこと、あなたがしてきた体験などが、「素晴らしい理想」を作り上げる材料となります。
たとえば、
小さいころから、言われたことを忘れてしまう、片づけができない、すぐ泣いてしまうといったことで、お母さんにすごく怒られた。
いろいろなことが完璧にできる「良い子」になったら、お母さんにほめてもらえるかもしれない、と考える。
勉強を頑張って、兄弟の面倒を見て、友だちと仲良くして…。
う~んと頑張ったら、先生がほめてくれたし、お母さんが優しいときもあった。
もっと頑張ろう!
「こうあらねばならない」という理想的な自分を作っている、そのもとにあるのは。
大変な状況で頑張ろうとする純粋な気持ち
そんなステキな気持ちを「完璧を求めて頑張るのはおかしい!」なんて踏みにじるのは、あまりにもかわいそうです。
周りにそんなことを言う人がいたら、「本質を分かっていないヤツ」と思って無視しましょう。
心を守るためにしてほしい3つの工夫
自分にくだす「アウトの審判(ジャッジ)」は、自然に発生してしまいます。
自分の純粋な気持ちをないがしろにしたくはないけど、次々に「アウトの審判」が出てくるときは、本当にツライ…。
だからこそ、発達凸凹のあなたには、苦しくなる前に、自分の心を守ってほしい!
心を守るための3つの工夫は、こちらです。
自分の気持ちに寄り添う
理想的な自分になれていないときは、とってもガッカリしています。
まずは、そんな自分の気持ちに寄り添いましょう。
- 「こんなに頑張ったのに、うまくいかなくて、ガッカリしちゃったね」と声をかける、
- 悲しい気持ちがこみあげてきたら、「悲しくて当然だよ」と声をかけ、涙を流す、など。
気持ちを十分に味わうと、一時的にツラくなりますが、しばらくするとスーッと楽になります。
「アウトの審判」をくだす存在に感謝をする
自分に対するダメ出しの勢いが強くて、心が折れそうなとき。
「自分を責める声がなくなればいいのに」と思うのは、自然なことです。
でも、ダメ出しをなくそうとすると、余計に自分を責める声が強くなります。
「アウトの審判」の裏には、「理想的な自分にならなければいけない」という、純粋な頑張り屋さんがいます。
「頑張り屋さん」が、消されることを嫌がるのです。
それに、「頑張り屋さん」を応援している「世話焼きおばさん」から、ダメ出しが出ている場合。
おばさんが、「せっかく人が親切で言ってやってんのに!」と、ご機嫌ナナメになります。
なので、「アウトの審判」の裏方さんたちに感謝をしましょう。
「理想的な自分になろうと頑張ってくれて、ありがとう。
立派な人間になれない私を、叱咤激励してくれて、ありがとう。
あなたたちのお陰で、私は、ここまで生きてこれました」
すると、ダメ出しが少しずつ弱くなっていきます。
たとえば、あなたが子どもに「ちゃんと勉強しないとダメでしょう!」と怒ったとき。
子どもが「お母さん、私を賢い人間に育てようとしてくれて、ありがとう」、なんて言っていきたら。
あなたも、ちょっとうれしくなって、「分かってくれたら、それでいいよの」ってトーンダウンしますよね。
あれと同じメカニズムです。
自分を励ます言葉をかける
何と言っても、あなたには、あなたの一番の味方でいてほしい!
自分がかけられたらうれしい言葉、励まされる言葉を探してください。
そして、元気がなくなったときに、その言葉をあなた自身にかけてあげましょう。
私の場合は、「生きているだけで、大したもんだ。よくやってる」、「生きてさえいれば、何とかなる、なるようになる」なんて言葉がしみます。
うれしい気持ち、励まされる感じが、身体に広がるのを味わいましょう。
元気が出ます。
いかがでしたか?
今日は、発達凸凹のあなたが生きづらい本当の理由のひとつ、「アウトの審判(ジャッジ)」についてお伝えしました。
「アウトの審判」のデメリットに目がいってしまいがちですが、メリットをしっかり見てくださいね。
あなたに起こっていることはすべて、一見、マイナスに思われても、あなたにプラスとなる役割をもっています。
それから、心を守るためにしてほしい3つの工夫については、できることから少しずつ、やってみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。