共感能力に乏しい人でも配偶者の気持ちに寄り添える方法
結婚以来、夫の言動に振り回されてきた私。
夫婦喧嘩に疲れ果てながらも、様々な工夫を重ね、夫婦関係が改善されてきたのですが。
「夫に私の気持ちを分かってもらえない」という問題は、未解決のままでした。
ところが、ごく簡単な方法で、私の気持ちに寄り添ってもらうことができたのです!
今回は、夫婦喧嘩が激減した、効果絶大な方法について、お伝えします。
私の気持ちが分からない夫
私の夫は、基本的に、自分のしたい話を一方的に展開します。
放っておけば、いつでも、どこでも、ず~っと話し続ける。
私の都合など、おかまいなし。
しかも、思いついたことを話すので、主語は抜けるし、結論に行きつかない。
夫の話を聞くのがツライと、伝えると。
「最後まで聞けば分かる!」
「俺は、ナオミの話を聞くとき、そんなことは言わない!」
一方、私が夫に話しかけると。
夫は、テレビや自分の考えに気を取られて、私の話を聞いていない。
そして、私の話の一部に触発されて、自分の体験について語り始める。
夫が私の話に耳を傾けていないことを、何度も指摘したら。
夫は、「ちゃんと話を聞かなくちゃ!」と意識するようになったものの。
今度は、変なところで質問を繰り出してくるので、スムーズに話を展開できない。
たとえば、「職場の人から嫌なことを言われて、元気がなくなった」と言いたいだけなのに。
夫は、私が「職場の人」と言うのを聞くと。
「性別は?年齢は?役職は?職場で会う頻度は?」と矢継ぎ早に、質問攻撃。
自分のしたいように話ができなくて、私が戸惑っている間隙をぬって。
「俺も、職場の人から嫌なこと言われてさ」と、自分の体験を語り始める。
「相手が悪い!そんな職場は辞めればいい!」と、勝手に怒り出す。
質問も、アドバイスもしなくていいから、私の話に耳を傾けてほしい、と伝えると。
「ただ話を聞くだけなんて、誠意がない!」
「俺なりの真心で、全力でナオミの話を聞いてるんだ!」
どうしても、私の気持ちは分かってくれません。
やり取りを重ねるうちに、夫婦喧嘩に発展するので、もう、イヤになってしまいます。
私の気持ちが分からないのは、夫に発達凸凹があるから
夫とのコミュニケーションが難しいのは。
夫には、診断がつかないまでも、発達障害の特徴をもつ、「発達凸凹」があるからです。
ちなみに、発達凸凹に加え、「生活に支障が出る」状態のときに、発達障害の診断がつきます。
夫が該当するのは、以下の分類(特徴)。
自閉スペクトラム症(ASD):人と関わることがあまり得意ではないうえ、こだわりが強く、興味や行動が偏っている、という特徴
注意欠陥多動症(ADHD):注意力にばらつきがある、じっとしていられない、衝動的な言動をとる、という特徴
この2つの特徴をあわせ持っています。
ASD(自閉スペクトラム症)の特徴が強いと、相手の気持ちが全く分からない場合があります。
ですが、夫はそれほどではありません。
テレビや映画を観ながら、感動して涙することができます。
私の夫が、言葉でのコミュニケーションに苦戦するのは、ADHD(注意欠陥多動症)の影響です。
注意力の問題があるため、話したい事柄に注意を向け、頭の中で優先順位をつけることが難しい。
気になる話題に注意を奪われ、話の本筋から逸れてしまう。
相手の話に注意を向け続けることも難しい。
そのため、私は、「私の気持ちを分かってもらえた」と感じることができません。
「夫には、発達凸凹がある」と、頭では分かっている。
ギブ&テイクと言うけれど、コミュニケーションに関しては、私のギブばかり。
私の気持ちには、共感してもらえない。
夫婦喧嘩に疲れ果てると、夫に関わる気力が失せます。
夫とは、伝えないといけない事務的な事柄以外、話したくない。
そんな感じで、夫婦喧嘩と冷戦状態を繰り返してきたのです。
※発達障害(発達凸凹)のある配偶者との関係改善について、もう少し知りたい方は、こちらもどうぞ。
「夫に分かってもらえた」と思えるスゴイ方法
夫とのコミュニケーションを避けていたとき。
「ハコミセラピー」の講座で、ハコミ公認トレーナーの阿部優美さんから、興味深い方法を教えてもらいました。
その名も、「背中合わせ」。
イライラやストレスを発散する方法、として紹介されました。
「ハコミセラピー」は、「マインドフルネス」をベースに、心と身体の両方に働きかけるセラピー。
そのため、「背中合わせ」も、「マインドフルネス」の状態で取り組むことが大切です。
ちなみに、「マインドフルネス」とは、ゆっくりと深呼吸をしながら、目をつぶり、今ここで起きていることに注意を向けていくこと。
「マインドフルネス」の状態だと、自分の気持ちや身体のサインに気づきやすくなります。
さて、「背中合わせ」は、次のような手順で行います。
①互いの背中を合わせ、伸びをする
床に座って、互いの背中を合わせ、「マインドフルネス」の状態になって、背中の感触を感じます。
背中の温かさ、触れている感触、など。
そして、互いに両腕を上のほうに伸ばし、自分の背中、相手の背中が伸びる感じを味わいます。
②互いの背中を合わせたまま、背中を動かし、押し合う
両腕を下ろし、背中を合わせたまま、背中を動かし、押し合います。
背中を上下左右に動かし、「おしくらまんじゅう」をしているような感じ。
そして、「マインドフルネス」の状態になって、背中の感触を味わいます。
摩擦熱で背中が熱く感じたり、互いの背中がぶつかり合うのを感じたり。
③互いの背中を合わせたまま、背中の温かさ、感触などをじっくり感じる
互いに動きをとめ、背中を合わせたまま、「マインドフルネス」の状態になって、背中の感触を十分に味わいます。
最初より、背中が熱くなっていたり、背中の肉感が柔らかくなっていたり。
気持ちにも意識を向け、十分に味わいます。
安心したり、ウキウキしていたり。
とてもシンプルな方法です。
それなのに、夫と「背中合わせ」を試したら、効果抜群で、ビックリしてしまいました。
「背中合わせ」の絶大な効果とその理由
「背中合わせ」の絶大な効果
私と夫で、ほんの数回、「背中合わせ」に取り組んだだけで、夫婦関係が良くなりました。
夫婦喧嘩は激減。
冷戦状態も打開。
そもそも、夫に対する私のイライラが小さくなったのです。
それに、夫婦関係以外でも、私の気持ちに、プラスの影響が出てきました。
仕事などで失敗をしても、「やり方を改善して頑張ろう」と思うなど、気持ちが前向きになる。
新しいことにもチャレンジしていこうという気持ちになる。
対人関係のストレスが減っていく。
良いことづくめで、私自身もビックリ!
「背中合わせをしてもらったお陰で、こんなプラスの効果があったんだよ~」と、夫に報告するようになりました。
すると、夫も喜びます。
夫のほうから、「ナオミ、背中合わせをしようか」と、声をかけてくるようになりました。
「背中合わせ」がプラスの効果を生む理由
「背中合わせ」が、なぜ、夫婦関係の改善だけでなく、気持ちを前向きにするのか、考えてみました。
言葉でのやり取りだと、すれ違いが生じてしまう夫。
夫が語れば語るほど、私は「分かってもらえない」という気持ちを募らせてしまいます。
でも、背中はすれ違いません。
まず、背中を合わせていると、温かさが伝わってきます。
「一緒にいるよ。大丈夫だよ」というメッセージとして感じられる。
怒りや悲しみなどのネガティブな感情があっても、背中の温かさが溶かしてくれるのです。
次に、「おしくらまんじゅう」のように、互いの背中を動かすこと。
イライラなどの怒りや攻撃性を発散しているのです。
しかも、発散するだけでなく、相手に受けとめてもらえる。
「怒ってもいいんだよ」というメッセージとして感じられる。
怒ることに罪悪感を抱いてしまう私のようなタイプは、安心して怒りを発散することができ、怒りがスーッと消滅していくのです。
そして、「おしくらまんじゅう」をすることで、心に活気がみなぎります。
怒りや悲しみなどのネガティブな感情がると、心のエネルギーが低下した状態になっている。
でも、子どものように一緒に楽しむことで、心のエネルギーがみなぎり、怒りや悲しみを包んでしまう。
つまり、「背中合わせ」を行うことで。
気持ちに寄り添ってもらい、共感してもらったという感覚を得ると同時に、心の活力を養うこともできるのです。
「背中合わせ」が難しい場合
「背中合わせ」は、シンプルなのに、たくさんのプラスの効果が得られます。
でも、なかなか取り組めないこともあります。
たとえば、私の場合。
「背中合わせ」を知ってから、夫と一緒に取り組むまで、時間がかかりました。
夫にお願いするなんて、夫に負けるみたいで、イヤだ。
そんな子どもじみた理由です。
夫にお願いできなかった根本にあったのが、母との問題。
私は、母に嫌われる恐怖と、母に好かれたいという切望で、がんじがらめになっていました。
小さな頃から、母にしいたげられ、暴言を吐かれ続けてきたからです。
そして、「母に好かれるような、何でもできる、良い子にならないといけない」と信じ込んで生きてきました。
夫に、頭を下げるなんてこと。
「自分は、夫以下のダメ人間だ」と証明するようなものだ。
そんな考えが浮かんで、「背中合わせ」の話をすることができなかったのです。
ですが、「ハコミセラピー」の講座に出たり、個人セッションを受けたりする中で。
母から好かれなくても、私は私。
私らしく居ればいい。
そんな風に思えるようになると、夫に「背中合わせ」を提案することができました。
配偶者と「背中合わせ」ができない場合。
何が引っかかっているのか、考えてみましょう。
あなたの課題が見えてくるはずです。
今回は、夫婦関係の改善に絶大な効果をもたらした「背中合わせ」について、お伝えしました。
共感能力に乏しい配偶者でも、あなたの気持ちに寄り添うことができますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。