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「発達凸凹(発達障害)」をもつ人が仕事をする際に大切なこと

2023年8月19日

仕事でうまくいかないことが続き、職場の人たちから厳しい指摘をされることが増えた私。

自分自身に「発達凸凹」があることに気づきました。

私なりに考え、工夫を重ねる日々。

その中で見つけた、「発達凸凹(発達障害)をもつ人が仕事をする際に大切なこと」について、お伝えします。

 

「発達凸凹」は、生まれつき得意なことと苦手なことの差が大きい特徴のことを言います。発達凸凹に加えて、ストレスなどから生活に支障が出た状態を、「発達障害」と診断します。

 

「発達凸凹(発達障害)」を自覚する

私自身、学生時代や民間企業で働いているときは、特にトラブルなどありませんでした。

それなのに、心理カウンセリングの業界で働くようになってから。

いじめ(嫌がらせ)にあったり。

「仕事のできない心理カウンセラー」と評価されたり。

散々な目にあうようになりました。

 

原因を探るうちに、私自身に「発達凸凹(発達障害)」があるのではないかと、思うようになりました。

とはいえ、病院へ行っても、診断がつかないレベル。

だって、同僚だったベテランの心理カウンセラーに、「私、発達障害があるかもしれないんです」と相談したら。

「あなたみたいなのが発達障害だなんて、聞いたことないわ!」と一喝されたほどでしたから。

 

「発達障害」については、こちら。


「発達凸凹」は、生まれつき得意なことと苦手なことの差が大きい特徴のこと。詳しくは、こちら。

 

ちなみに、私が仕事上でやりがちなミス、そして、苦手なことは、次の通り。

  • 良かれと思って、口にした言葉が、相手を不快な気持ちにさせてしまう。
  • 関わっている人たちの意見が異なると、うまく調整することが難しく、判断を誤ってしまう。
  • 多くを語らず、「私の気持ちを察してほしい」という人の気持ちを、つかみかねる。

 

「自閉スペクトラム症」に近い特徴をもっているのではないかと思います。

でも、診断基準には当てはまりません。

 

ちなみに、「自閉スペクトラム症」の基本的な特徴は、大きく分けて、以下の2つ。

①集団の中でコミュニケーションを取ることや、ほかの人とのやり取りが、難しい。

②行動や興味が、偏っている。

 

私の場合、人との関わりは、得意ではないものの、何とかなっています。

こだわり行動も、多少あるものの、目に余るほどではありません。

 

ですが、発達障害カウンセラーの吉濱ツトムさんが書いた本を読んで、謎が解けました。

その本に書かれていたことが、私にドンピシャ!

軽度のアスペルガー(今でいうところの「自閉スペクトラム症」)の特徴をもつ人、特に女性は、相手の気持ちを細やかに感じとることができ、その場の状況を把握することもできる。しかし、ときどき、その場の空気を読みあやまることがある。

「隠れ発達障害という才能を活かす逆転の成功法則(2018)吉濱ツトム 徳間書店」

 

そして、その後、2人の人から、「(発達障害の傾向が)ありますよね~」と言われました。

1人は、職場の同僚。

自閉スペクトラム症の診断を受けた人でした。

1人は、不登校生徒の保護者。

自閉スペクトラム症の診断を受けた子どもを育ててきた人でした。

 

ある意味、当事者や、当事者に近い人から、「発達凸凹(発達障害)」のお墨付きをもらったのです

 

「発達凸凹(発達障害)」があるから、ミスが多いのか~。

心理カウンセリングの業界は、人との関わりについて、高度なスキルが必要とされるから、トラブルが増えてしまったんだな~。

そう自覚したら、あとは、どう工夫するかが肝となります。

 

仕事でうまくいったときについて分析する

 

仕事でうまくいかないことが続くと……。

ついつい、「仕事で失敗したとき」のことばかり考えてしまいます。

もちろん、自分の失敗を振り返り、反省点を見い出すことで、次の失敗を防ぐことができるかもしれません。

 

ですが、私のような「発達凸凹(発達障害)」がある人。

「仕事でうまくいったとき」を振り返るべし!

「仕事で失敗したとき」のことを真っ先に振り返ると、嫌なことをアリアリと思い出し、傷つき体験を重ねてしまうからです。

 

それに、「仕事でうまくいったとき」には、「問題を解決するためのヒント」が隠れています。

「特定の条件や要因」がそろっているから、仕事がうまくいくのです。

 

そのため、「仕事でうまくいったとき」について振り返り、うまくいくための「特定の条件や要因(パターン)」を見つけます。

その後で、「仕事でミスをするとき」のパターンを探します。

この順番が大切です。

 

まず、私が「仕事でうまくいったとき」に共通するパターン。

  • たっぷり睡眠をとっていたため、身体の調子が良く、頭がさえていた。
  • 自分が評価されることより、相手の利益を一番に考えていた。
  • 心のどこかで、「何とかなるさ」と思っていた。
  • 職場の人が大らかで、私の在り様を受け入れてくれた。

 

次に、私が「仕事でミスをするとき」に共通するパターン。

  • 相手に言われたことを、真に受け、反射的に判断したり、返答したりする。
  • ミスをすると、「失敗してはいけない!」と、自分に意識が向き、相手のことがおろそかになる。
  • ミスをすると、自分を責めてしまい、「失敗してはいけない!」という思いが、ますます強くなる。
  • 職場の人から、私のミスを厳しく指摘された。

 

そして、考えた対策が、以下の通り。

  1. 日頃から、睡眠をしっかりとる。
  2. マインドフルネス瞑想、呼吸法を日常的に取り入れ、身体と心をゆるめる時間をもつ。
  3. 苦手なことについて、職場の人に伝え、サポートしてもらう(協力的な人、限定だけど…)。
  4. 失敗をしても、自分を責めず、改善点について考える。
  5. 自分を責めるメカニズムについて解明し、解きほぐしていく。

 

「発達の凸凹」がある場合、どうしても、苦手なことがあります。

つまり、特定の分野に関して、限られた能力しか、活かせないところがあるのです。

 

そのことを自覚し、「限られた能力を、最大限にいかすための対策」を整えていく。

すると、失敗がなくなる訳ではありませんが、失敗が減っています。

 

「発達凸凹(発達障害)」がある人が働く際に注意すること

私のように「発達凸凹(発達障害)」がある人。

そんな人が、仕事をする際に注意することについて、考えてみました。

 

自分に合った環境の職場で働く

私の場合、心理カウンセリング業界で働くようになってから、仕事上のミスを、周りから厳しく指摘されるようになりました。

おそらく、学生や民間企業に比べ、専門家として、繊細な判断を求められるからでしょう。

 

ところが、そんな私でも、心理カウンセラーとして、のびのびと働けている職場があります。

ひと言でいえば、「居心地がいい」職場です。

  • 私の仕事ぶりを、いちいち批判しない。
  • 私のやり方を、おおらかに見守ってくれる。
  • 私の得意なところ、頑張っているところを、認めてくれる。
  • 私の苦手なところを知っても、サポートしてくれる。
  • ミスをしても、「そんなこともある」と、大目に見てくれる。

 

こういう職場で働くと、「何とかなるさ」という考えがわきやすく、私らしく、いきいきと仕事ができます。

その分、ミスも減少します。

 

「発達凸凹(発達障害)」があるために、トラブルが起きるかどうかは、実は、「環境」の要因が大きいのです。

トラブルが起きるのは、自分の特性と環境とのミスマッチ

自分に合った「環境」にいると、トラブルはあまり起きません。

 

とはいえ、自分に合った職場を見つけることは、簡単なことではありません。

でも、私自身、自分に合わない「環境」で仕事をすることで、何が自分に合わないのか、どんな環境なら合うのか、ということが分かってきました。

自分に合わない「環境」にいる人は、自分に合った「環境」を見つけるための学びを深めていると思ってみましょう。

 

「発達凸凹(発達障害)」のカミングアウト

自分自身に「発達凸凹(発達障害)」があると知った場合。

職場でも、「私には発達凸凹(発達障害)があるから、この仕事は苦手です。やれません」と言いたくなりますよね。

 

仕事をやりたくない、という訳ではありません。

相手に自分のことを分かってほしい。

苦手なことを先に知ってもらって、失敗を減らしたい。

そんな思いからです。

 

ですが、相手によっては、「発達凸凹(発達障害)があることを振りかざして、『苦手なことはやりません!』と逃げようとしている」と思う人もいます。

悪い印象がついてしまうのは、もったいないですよね。

それに、職場の雰囲気が悪くなると、働きづらくなり、仕事上のミスも増えます。

 

そのため、「発達凸凹(発達障害)」があることをカミングアウトする場合。

「自分の得意なことを活かして、職場の人にメリットをもたらすこと」「苦手なこと」をセットで伝えます。

 

得意なことはあるけれど、苦手なこともある。

「発達凸凹(発達障害)」がない人にでも、思い当たるはずです。

だからこそ、相手に伝わりやすく、悪い印象をもたれづらくなります。

 

私は、スクールカウンセラーとして働いている職場で、「人の悩みをじっくり傾聴することが得意である」と伝えます。

私は、小さい頃から、母の愚痴を延々と聞かされて育ちました。

ある意味、英才教育を受けてきたようなもの。

 

母の愚痴に比べると、ほかの人が話す悩みは、すんなりと私の中に入ってきます。

悩みを話す人が、他人であること、私や血縁者を悪く言う訳ではないことで、心の距離が取れるのです。

世の多くの方々は、人の悩みを聞いていると気が滅入るらしく、私は重宝されます。

その後に、私の苦手なことを伝えるようにしています。

 

得意を伝えてから、苦手を伝える。

その順番で伝えると、私の苦手なことに関して、職場の人たちから、サポートしてもらえたり、大目に見えてもらえたりするのです。

「ギブアンドテイク」「ウィンウィンの関係」は、職場では大切なのだな~と実感しています。

 

 

「発達凸凹」があることを自覚し、対策を打っていくと、仕事上のミスが減っていきます。

「発達凸凹」というと、苦手な面ばかりがクローズアップされがちですが、得意な面もあります。

得意をいかして、苦手をカバーしながら、自分に合った「環境」で働く。

自分に合った「環境」は、探すこともできますし、自分の努力で作っていくこともできるかもしれませんね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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