発達凸凹が問題なのではなく、期待の罠にはまっているだけ
発達凸凹があると、思わぬところでミスをしたり、場違いなことをしてしまう…。
特に、社会人になり、会社などで働くようになると、ツライ思いをすることが増えます。
それは、なぜ?
発達凸凹が問題なのではなく、「期待の罠」にはまっているからです。
※「発達凸凹」とは、発達障害の特徴をもちながら、診断がつかない、診断基準を満たさない状態のことです。
発達凸凹のあなたが生きづらいのは、相手が抱く「期待」のせい
発達凸凹のあなたが、日常生活を送っていてツライ思いをするのは、なぜでしょう?
「常識」とのズレのほかに、あなたがはまってしまう別な「わな(トラップ)」があります。
それは、周りの人たちが、あなたに対して抱いている「期待」です。
親、親戚、近所の人、学校の先生、友だち、クラスメイト、職場の上司、職場の同僚、職場の取引先、配偶者、子ども、ママ友、PTAで一緒になった人、などなど…。
あなたが関わるたくさんの人たちが、あなたに「こうあってほしい」という「期待」を抱いています。
たとえば、
結果が目に見える「期待」
- 学校でいい成績をとってほしい
- 仕事で業績を上げてほしい
到達点が分かりづらい「期待」
- 心やさしい人であってほしい
- 誠実であってほしい
あなたが、相手の「期待」に合わないことをすると。
相手はガッカリしたり、怒ったり、あなたを責めたり、避けたり……。
発達凸凹のあなたは、相手が抱いている「期待」を予想するのが苦手だったり、何気なく行動したことが相手の「期待」から外れたりするので、相手の機嫌を損ねることが多くなってしまいます。
たとえば、別なことに気を取られて、あいさつをしそびれたら、「礼儀知らず!」と怒られたり……。
その都度、あなたは嫌な思いをしてしまうのです。
わざとやったのではないし、悪意はまったくない。
だから、相手が不機嫌になると、「いい加減にして!あんたたちの勝手でしょ!」って言いたくなりますけどね……。
人の数だけ、いろんな種類の「期待」があります。
「期待の罠」にはまらずに暮らすのは、不可能です。
「期待」が悪いのではない
発達凸凹のあなたが、日常生活を送っていてツライ思いをするのは、周りの人たちが、あなたに対して抱いている「期待」のせいです。
だとすると、「相手に期待なんかするんじゃねえ!」ってさけびたくなりますよね。
でも、相手に「期待」を抱くことは、「悪いこと」ではないのです。
メリットがあるのです。
- 「期待」というのは、自分が快適に過ごすために相手に守ってほしい基準。
- 「期待」を抱いている人が、「自分を大切にしている」ことの表れ。
- 場合によっては、「期待」を抱いている人が、あなたならやってくれるはずと「信頼している」ことの表れ。
あなたも、周りの人に対して、「こうしてくれるといいなあ」といった「期待」を抱いていますよね。
それは、あなたが、あなたのことを大切に思っていて、自分を守ろうとしているからです。
あなたの周りにいる人たちも、同じ。
自分を大切にして、自分の命を守ることにつながるというメリットがあるため、この世から「期待」はなくならないのです。
ちなみに、周りに対してまったく「期待」を抱いていない人は、2パターン。
- 人生に絶望している:自分を大切にしようという気持ちがない。相手を信じていない。それはそれで、かなりツライ。
- 悟りを開いている:起こった出来事を「現象」として認識し、そのまま受けとめる。これがバッチリできている人は、現世では少ない。
相手や周りの人に「期待」を抱くのは、健康的であり、自然なことなんですね。
だから、「期待」は、なくならない。
心を守るためにしてほしい3つの工夫
「期待」は、「常識」ほどあなたを縛りません。
でも、「期待のわな」は、あちこちにしかけられています。
知らぬうちに「期待のわな」にはまってしまってしまうと、抜け出すのが大変。
本当に息苦しいです。
だからこそ、発達凸凹のあるあなたには、ツラくなる前に、自分の心を守ってほしい!
心を守るための3つの工夫は、こちらです。
「相手は相手、自分は自分」と考える
相手の「期待」から外れたときに、相手から不愉快な対応をされたら…。
こう考えてみましょう。
私は、相手が抱いている「期待」から、たまたま外れているだけ。
相手が勝手に不機嫌になっている。
これは、相手の問題。
私の問題ではない。
相手が、その人の問題を解決するために頑張ればいい。
相手と「こころの距離」をとると、少し気持ちが楽になります。
相手に感謝してみる
あなたをまったく信じていなければ、相手はあなたに「期待」などしません。
あなたは、相手から、信頼されている!
願い(期待)をかなえてくれる相手として、認められているのです。
表立って相手に感謝を伝える必要はありません。
心の中で、「私を信じてくれてありがとう」とつぶやいてみましょう。
相手への怒りや不満がやわらぐと、視野が広がり、次に自分がどうしたらいいかが見えてきます。
自分の心をケアする
相手があなたにとって大切な人だった場合。
相手の「期待」から外れてしまったときに、悲しい気持ちが浮かびます。
そんなときは、自分の気持ちのケアをしましょう。
①気分転換する:自分が好きなことをする。
②自分の気持ちに寄り添う:一人になれる静かな場所で、悲しい気持ちを味わう。「相手が大切だから、相手をガッカリさせたことが、悲しいんだね」などと、自分で自分に声をかけてみる。涙を流すのもアリ。
いかがでしたか?
今日は、発達凸凹のあなたが生きづらい本当の理由のひとつ、「期待のわな」についてお伝えしました。
メリットがあるからこそ、この世にはびこる「期待」という観点から、あなたの生きづらさを見てみましょう。
心を守るためにしてほしい3つの工夫については、できることから少しずつ、やってみてくださいね。
個性が強くても、生き生きと自分らしく暮らしている人は、3つの工夫を実践していますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。