発達凸凹が問題なのではなく、常識の鎖に縛られているだけ
発達凸凹があると、生きづらさを感じることがありますよね。
もって生まれた特徴があるからでしょうか?
いいえ、違います。
今回は、個性的なあなたが生きづらい本当の理由のひとつ、「常識の鎖」についてお伝えします。
※「発達凸凹」とは、発達障害の特徴をもちながら、診断がつかない、診断基準を満たさない状態のことです。
個性的なあなたが生きづらいのは「常識」のせい
発達凸凹のあなたが、日常生活を送っていて苦しい思いをするのは、なぜ?
もって生まれた特徴のせいではありません。
世の中に深く根ざした「~すべき」という常識のせいです。
苦手なことがあったとしても、「忘れ物やミスが多い」、「コミュニケーションがずれる」という「現象」があるだけで、本来は何の問題もありません。
ところが、「場所や相手に応じて、年齢にふさわしく、~すべき」という「常識」が、ど~んと登場!
職場でミスをすると…。
「働いて数年も経ったら、ミスをせず、きちんと仕事をこなすべき」という基準を「満たしていない」というジャッジがくだされます。
そして、「ミスが許されない状況で、ミスをしてるんじゃない!新入社員じゃないんだぞ!」と怒鳴られる…。
世の中には、さまざまな常識があふれています。
ひじをついてご飯を食べてはいけない、相手に失礼なことを言ってはいけない、葬式には喪服を着ないといけない、などなど。
発達凸凹のあなた。
何の気なしにおこなった言動が、「常識に外れている」と判断されてしまいがちです。
そのたびに、周りの人から注意されたり、口やかましく言われたり…。
ダメ出しをされることが、何百回、何千回、何万回と重なり、「やっぱり自分はダメなんだ」という思いを強めていきます。
常識の鎖にがんじがらめにされ、深い苦しみを負ってしまうのです。
これは、もはや、「社会によって作られた苦しみ」です。
「~すべき」が悪いのではない
発達凸凹のあなたが、苦しい思いをするのは、世の中にはびこる「~すべき」という常識のせいです。
でも、「~すべき」が悪いのではありません。
メリットがあるのです。
たとえば。
- 常識を守って暮らすことで、集団の秩序が保たれる。
- 常識を目安にして、行動を整えていけばいいので、「こうすればいい」と先の見通しが立ち、安心できる。
メリットがあるから、「~すべき」という常識を、多くの人が大切にしているのです。
そもそも、「常識」、「慣例」、「ルール」というものは、「こうやったら、気持ちよく過ごせたよ」という小さな行動が寄せ集まったものです。
始まりは、善意なのです。
たとえば、お葬式だって、初めは、亡くなった人をとむらい、お別れをしたいという純粋な気持ちから生まれたものです。
ところが、「お葬式はこのようにおこなうべき」というしきたりが生まれると、それに反したときに、「常識を知らない」と非難されてしまいます。
常識、慣例、ルールには、「集団の秩序を守る」、「人々に先の見通しをもたせる」という大きなメリットがあります。
残念ながら、「~すべき」を世の中からなくすことはできないのです。
心を守るためにしてほしい3つの工夫
もちろん、国や時代によって、常識は違っていきます。
でも、この世の中から「~べき」がなくなることはありません。
常識のある世界から逃れることができないというのは、本当にツライですよね。
だからこそ、発達の凸凹のあるあなたには、深い苦しみを抱える前に、自分の心を守ってほしい!
心を守るための3つの工夫は、こちらです。
自分はまったく悪くないと考える
生きづらいと感じることがあったら。
社会にはびこる「~すべき」という常識から、たまたま外れているだけ。
自分はまったく悪くない。
場所や時代が変われば、常識も変わる。
絶対的な基準ではない。
実際、そうなのです。
自分を責める必要はありません。
自分や相手を責めるモードから離れる
うまくいかなかったときのことをくり返し思い出し、「なんで、あんなことになっちゃったんだろう」と考えてしまうとき。
自分や相手を責めるモードとは、別のモードに入りましょう。
たとえば、
- 自分の好きなことに熱中する。
- 運動をする。
- お風呂に入る。
- 寝てしまう。
うまくいかなかったことをくり返し考えて、自分や相手を責め続けた結果、状況がめざましく改善するのなら、とことん考え抜ぬきましょう。
でも、状況がまったく変わらず、自分がツライだけなら、なんか、もったいないです。
自分がどうしたいかを考え、実行する
自分がいる環境がどうなっているといいか、考えて、実行してみましょう。
①自分に合わない環境を避ける(自分に合った環境を探す)。
②今の環境の中で、自分の負担が少なくなる工夫を考える。
(例)職場での雑談が苦手。
→①部署を異動させてもらう。転職する。
→②雑談が苦手であることを同僚や上司に伝え、大目に見てもらう。
いかがでしたか?
今回は、個性的なあなたが生きづらい本当の理由のひとつ、「常識の鎖」についてお伝えしました。
メリットがあるからこそ、この世からなくならない「常識」という観点から、あなたの生きづらさを見てみましょう。
心を守るためにしてほしい3つの工夫については、できることから少しずつ、やってみてくださいね。
個性が強くても、生き生きと自分らしく暮らしている人は、3つの工夫を実践していますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。