皆から嫌われる「ゴキブリ人間」の自分を肯定する自分がいた【私が自分を生きるまで】⑨
母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。
「自分を生きる」ために、努力を重ねていきます。
その過程の中、「人から嫌われる自分=ゴキブリ」と認識していたことに気づきます。
人から嫌われることを恐れる私は、「ゴキブリ」だった
2017年の春。
私は、「人から嫌われる恐怖」にさいなまれ、苦しくて、いたたまれない、2日間を過ごしました。
海外から「ハコミセラピー」のシニアトレーナーを講師に招いた、「スペシャル企画ワークショップ」での出来事です。
※「ハコミセラピー」とは、「マインドフルネス」をベースに、心と身体の両方に働きかけるセラピーです。
※「マインドフルネス」とは、ゆっくりと深呼吸をして、目をつぶり、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けていくことです。
数十名いる参加者は、知らない人ばかり。
相手から嫌われてしまう。
コワイ!
嫌われないようにしないといけない!
腹の底から、恐怖感が広がっていきます。
ほかの参加者と話すとは、顔がひきつり、声がうわずり。
相手から嫌われているんじゃないかと気になって、苦しくなっていきました。
「人から嫌われる恐怖」は、私が、20代前半から、ずっと抱えているもの。
ですが、「人から嫌われる恐怖」は、随分と、やわらいできていたのです。
「努力を重ねたことが実ってきたのかな」なんて、ホクホクしていたのですが……。
とんだ勘違い!
心軽やかな日々を送るために、こんなに努力を重ねているのに、何の効果も出ていない!
本当にガッカリしました。
そんな折、「ハコミセラピー」の自主勉強会がおこなわれました。
私が参加している「ハコミセラピー」の団体では、月1回、自主勉強会をおこなっているのです。
私は、自主勉強会で、ハコミ認定セラピストを目指している女性に、1時間のセラピーセッション(心理療法)をしてもらうことにしました。
テーマは、「人から嫌われる恐怖」について。
「スペシャル企画ワークショップ」のときに感じた「人から嫌われる恐怖」を、深掘りしてみることにしました。
まず、「人から嫌われる恐怖」について、「マインドフルネス」の状態で感じていきます。
「マインドフルネス」とは、ゆっくり深呼吸をしながら、目をつぶり、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けていく状態のことです。
私の場合、「マインドフルネス」の状態になり、自分の中で起きていることに注意を向けていくと、イメージが展開されます。
「人から嫌われる恐怖」について、じっくり感じていくと。
私は、巨大なゴキブリになっていました!
人間と同じ大きさのゴキブリ。
黒々とした羽。
長く伸びた触覚。
地面にはいつくばり、じっとしている。
見るだけで、ゾッとするような恐ろしい姿です。
「ゴキブリ人間」の自分を否定する部分
自分が「ゴキブリ」のような存在であるとイメージした私。
「みんなから嫌われている」という、すさまじい恐怖!!
そんな恐怖が、全身をかけめぐり、生きていることがツラくなるほど、苦しくなりました。
あまりの苦しさに、涙がこぼれます。
ところが、驚きのイメージが展開されます。
なんと、「ハコミセラピー」の仲間が、「わあ!羽が黒々としていて、つやつや光っていて、きれい!」と、私(ゴキブリ人間)の羽をなでているのです。
私は、思います。
「ハコミセラピー」の仲間たちは、自分らしさを見つけようとしている、心清らかな人たち。
だから、私が「ゴキブリ人間」でも受け入れてくれるんだ。
それ以外の人たちが、「ゴキブリ人間」の私を、受け入れるはずがない!
イメージの中で、「ゴキブリ人間」の私は、街の中に登場します。
悲鳴をあげ、逃げまどう人たち。
スリッパで私をたたきつぶそうと向かってくる人たち。
やっぱり、私は、存在するだけで、みんなから、うとまれ、嫌われるんだ!
そんなイメージが、まざまざと浮かんできました。
私のイメージは、その後も、展開していきます。
カサカサと地面を移動し、逃げきったゴキブリ人間の私。
いきなり、すくっと立ち上がります。
そうしたら、女の子が、背中にゴキブリの着ぐるみのようなものを、身につけているのです。
その女の子は、私の心の内面に存在する、ポジティブで、天真爛漫な部分。
私は、その部分を、元気な女の子のキャラクターとして擬人化し、「なおちゃん」と名づけています。
3~4歳ぐらいで、「ちびまる子ちゃん」と「アルプスの少女ハイジ」を足して2で割ったような姿をしています。
「なおちゃん」は、丘の上に立っており、夕日に向かって、叫びます。
「いつか、人間になりた~~い!!」
真剣な顔の「なおちゃん」。
背中側から見ると、ゴキブリにしか見えない着ぐるみ。
妖怪人間ベムの決まり文句。
思わず、吹き出してしまいました。
そこで、1時間のセラピーセッションは、おしまい。
セラピーセッションが終わった直後は、なんだか愉快な気持ちで過ごしました。
ところが、時間が経つにつれ……。
自分が「ゴキブリ人間」であることが、嫌で嫌でたまらなくなってきたのです。
「ゴキブリ人間」である私なんて、とてもじゃないけど、受け入れられない。
気分はどんより。
生きていることが自体がツラくて、いたまれない、という精神状態になりました。
「ゴキブリ人間」の自分を肯定する部分
「ゴキブリ人間」である自分が、嫌で嫌でたまらず、耐えきれなくなった私。
今度は、ハコミ公認トレーナー阿部優美さんの個人セラピーを受けました。
個人セラピーを受ける前。
「ゴキブリ人間」が嫌でたまらない私が出てきて、嘆き悲しむんだろうなあ。
私は、そんな風に思っていました。
ところが、いざ、個人セラピーが始まると。
とんでもないイメージが展開されたのです!
イメージの中に出てきたのは、ゴキブリの着ぐるみを背中にはりつけた姿の「なおちゃん」。
1時間のセラピーセッションで、展開されたイメージと、同じ姿です。
その日の「なおちゃん」は、とっても楽しそう。
ゴキブリの黒い羽を金色に染める。
黒い羽根にカラフルな水玉模様をえがく。
その羽を見せ、「キレイでしょう!」と自慢する。
さらに、金色や水玉模様になったゴキブリの羽を加工して、ストラップを作る。
「このストラップ、お友だちにあげようかな。メルカリで売ってみようかな」とウキウキしてる。
な、なんと!
「なおちゃん」は、自分が「ゴキブリ人間」であることを、気に入っている!!
私は、ポカンとしてしまいます。
自分が「ゴキブリ人間」であることが、嫌で嫌でたまらず、狂おしいほどに嘆き悲しんでいる私がいるのに。
あまりにもツラくて、苦しさを一瞬で手放せるという技法を、わざわざ学びにいったのに。
自分が「ゴキブリ人間」であることを、楽しんでいる私がいるなんて!
私の心の内面にある、「なおちゃん」ではない、別の部分。
その部分が、私自身に最悪なセルフイメージをはりつけ、そのことを嘆き悲しんでいるみたい。
私の自己探求は続きます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
続きはこちら。苦しみの原因が分かりました。
苦しみを一瞬で手放せる技法を学んだことついては、こちら。