職場で「いじめ」のターゲットになったとき① 取り組むための姿勢を定める
ある職場で、「いじめ」のターゲットになりました。
自力でしのぎ、2~3年でおさまったのですが、なかなかハードな体験でした。
「転んでも、ただでは起きない」精神で、奮い立ち、職場で起こった「いじめ」を観察、分析した私。
そこで気づいたこと、考えたことがありました。
「いじめ」の状況を把握し、自分の認識を確認する
私は、小さいころから、ちょっと風変わりなタイプ。
でも、小中高、大学、民間企業でも、「いじめ」のターゲットになることはありませんでした。
ところが、心理カウンセリング業界で働くようになってから、生まれて初めて、ある職場で「いじめ」のターゲットに!
「いじめ」の状況を把握する
まずは、「いじめ」なのか、私が気にし過ぎているだけなのか、「いじめ」の状況を観察し、把握することにしました。
半年ほどの間、観察した結果、以下のようなパターンがあることが分かってきました。
「いじめ」の程度
- 会議の場で、私だけ、しんらつなダメ出しをされる。
- 一緒に仕事をすると、いかに仕事ができていないかを、指摘され続ける。
- 私の欠点を大声で言われ、それを聞いた周りの人が笑う。
- 複数名で、私のほうをチラチラ見ながら、ひそひそ話をしては、クスクス笑う。
- 私のデスク横の壁に、私への誹謗中傷を書いた紙をはられる。
1つ1つは、小さなことですが、毎日、毎回だと、さすがに、こたえます。
「いじめ」に関わる人間
- 首謀者:「いじめ」を先導するのは、2人。
- 私より先に入職した人たちは、「いじめ」を先導する2人を、先輩として立てている。
- 首謀者の2人は、職場の責任者やベテランの職員と仲が良い。
- 観衆:「いじめ」を先導する2人と親しい人たちは、一緒に「いじめ」に加わる。
- 傍観者:それ以外の人たちは、「いじめ」を見て見ぬふりをする。
- 私と同期入社の2人だけは、「いじめ」に関わっていない。
20人ほどいる職員のうち、「いじめ」に関わる人間が、「首謀者」、「観衆」、「傍観者」に分かれていることが分かりました。
そして、「首謀者」が、職場内で力をもっている。
一方、「いじめ」に関わりのない人もいることに気づきました。
「いじめ」についての自分の認識を確認する
「いじめ」が始まって、半年間。
「私の仕事ぶりが悪いから、しかたがない」という思いもあったので、じっと耐えてみました。
ですが、「いじめ」の状況が把握できてくると、「私の仕事ぶりが悪いとしても、度が過ぎている」と思うようになってきます。
私の認識が間違っているか、確認してみたい。
そこで、「いじめ」には関わっていないと思われた同期入社の2人に、話をしてみようと考えました。
とはいえ、「あなたの考えすぎじゃない」と一蹴されて、おしまいだったら、どうしよう。
「いじめ」を受けているだけでもツライのに、だれにも分かってもらえない状況が加わったら、ツラすぎる。
悩みに悩んだ末、勇気を出して、同期入社の2人に対して、「いじめ」の話をしてみました。
同期入社の2人とも、私が受けていた被害のすべては、知りませんでした。
しかし、「いじめ」を先導する2人の言動には、疑問を感じており、「職場の雰囲気が悪い」と思っていたとのこと。
私の話を聞いて、「あの人たちなら、やりかねない」と、言ってくれました。
同期入社の2人が味方になってくれたことで、「私の認識が大きくずれている訳ではない」と安心しました。
職場に味方がいなかったら
私の場合は、同期入社の2人がいたため、自分らしく頑張るための足がかりができました。
けれど、だれも味方になってくれない職場だったら……。
考えるだけで、ゾッとします。
でも、そうだなあ。
だれも味方がいなかったら。
私だったら、いじめられて終わるのが悔しいので、「いじめ」の記録をつけます。
私自身、底意地が悪いのか、執念深いのか。
「いじめ」の記録には、以下のようなことを記載します。
- いつ(日時)
- どこで(場所)
- だれに(加害者)
- 何をされたか(加害者の行動)
- 周りで見ていた人がいたか(傍観者の有無)
など、詳細に。
書き記した記録は、第三者に相談するとき、場合によっては、裁判を起こす際の「証拠」になる!
それに、記録を重ねていくと、同じようなパターンが見つかり、「いじめ」の傾向が見えてきます。
また、「嫌なことばかりに注目していたけれど、そんなにしょっちゅではなかった」と気づくかもしれません。
書くことで自分を客観的に見ることができるようになり、自分の認識を確認すること役立ちます。
いずれにしても、「いじめ」の状況を把握すること、自分の認識を確認することが、最初のスタートになります。
自分以外の力を借りるか、自力で頑張るか
「いじめ」の解決に向けて、「自分以外の力を借りる」、「自力で頑張る」というアプローチがあります。
どちらのアプローチをとるか、定めていきます。
「自分以外の力を借りる」場合に、頼りになりそうなところ。
①職場内のサポート:職場の上司、職場のハラスメント相談窓口など。
②職場外の専門機関:警察、労働局、弁護士、相談機関など。
③医療機関:心身の不調が「いじめ」によるものだという、診断書を書いてもらう。
私の場合は、まず、職場の上司(直属の上司)に相談しました。
すると、「それは、つらかったね」と、共感してくれました。
ですが、「やった人たちも、悪い人じゃない。良いところを見てあげて」と言われて……。
「いじめ」を先導する2人と、直属の上司は、互いに信頼関係にあり、ここからの解決は望めない、と判断しました。
「いじめ」などに関するハラスメント相談窓口は、勤めている職場には、ありませんでした。
また、私の被害の状況から見て、外部の専門機関に相談しても、対応してもらえないレベル。
心身に大きな不調が出ている訳でもないので、医療機関を受診しても診断書は出ないだろう、と判断しました。
そこで、私は、「自力で頑張る」というアプローチをとることに決めました。
ですが、被害の状況がはなはだしい場合、心身に不調がでている場合は、外部機関へ相談することが先決です。
自力で頑張るために、基本方針を定める
「自力で頑張る」というアプローチをとるにあたって、私は、次の基本方針を定めました。
自分の心を支え、自分らしく力を発揮するために。
「いじめ」のターゲットになることで、学べることがある
心理カウンセリング業務では、「いじめ」を受けて傷つき、不登校になった子どもたちの相談を受けることがあります。
自分自身の「いじめ」体験から、「いじめ」のメカニズム、被害者の心境、対処法を知って、今後の仕事に役立てる、と決めました。
もしかしたら、勝手な意味づけかもしれません。
ですが、自分の行動に「意味」をもたせ、「目的」をもつことは、心の支えとなりました。
「いじめ」を先導する人たちより先に、職場を辞めない
ほとんど、意地に近いのですが、「いじめ」がなくなるまで、ねばり強く頑張ろうという誓い。
「いじめ」を先導する人たちより先に、職場を辞めない、と誓ったことも、心の支えとなりました。
ただし、「逃げるが勝ち」という場合もあります。
私は、同期入社の2人が、私の味方になってくれたため、闘えたところがあります。
「味方がいない」、「心身の不調がひどい」、というときは、自分を守るために、受ける必要のない攻撃からは離れるほうが得策です。
職場でのいじめに取り組むための姿勢を定めたら、次は対応を重ねていきます。
私の場合、職場内に協力者が得られたこともあって、いじめを回避するための作戦を1つ1つ実行していきました。
※いじめに対応し、いじめを回避した記事は、こちら。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。