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苦しみを作り出していたのは自分だった【私が自分を生きるまで⑥】

2024年2月22日

母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。

「自分を生きる」ために、努力を重ねていきます。

努力の過程において、苦しみを作り出しているものの存在に気づきました。

 

※自分の心の内面を擬人化して理解するという話は、こちら。

私の原動力ではあるが、常識を超えてしまう存在

自分の心の内面で起こっていることを、擬人化したところ。

6人のキャラクターに集約されました。

 

その「6人のキャラクター」のうち、私の原動力になっているのが、3歳~4歳ぐらいの女の子。

天真爛漫で、思いついたことを、どんどんやってしまいます。

ちょっと常識を超えちゃうところがあるのが、なんとも言えないんだけどね。

私は、自分の名前をもじって、「なおちゃん」と名づけました。

 

そして、私が母ののろいを解くために、悪戦苦闘、試行錯誤していくとき。

私を引っ張り、後押ししてくれるのが、「なおちゃん」です。

 

私の人生を大きく変えてくれた、ハコミセラピーに出合ったときも、そう。

2015年の夏でした。

「ハコミセラピー」とは、「マインドフルネス」をベースに、心と身体の両方に働きかけるセラピーです。

「マインドフルネス」とは、ゆっくりと深呼吸をして、目をつぶり、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けていくことです。

 

「なおちゃん」が、「これよ!これ!」と、大きな声をあげて、激しく主張!

私は、「なおちゃん」に引きずられるようにして、「ハコミセラピー」のワークショップに参加するに至ります。

 

「ハコミセラピー」のワークショップに3回ほど参加すると。

「なおちゃん」は、「やっぱり、これしかない!」と言い切ります。

私は、「なおちゃん」のパワーに後押しされ、「ハコミセラピー」Beingコースに参加しました。

「ハコミセラピー」Beingコースとは、「ハコミセラピー」の手法を使って、自分の中で起こる体験を重視し、自分の在り方を見つめるコースです。

 

「ハコミセラピー」Beingコースが、自分らしさを取り戻せる場所だと直感した「なおちゃん」

もう、水を得た魚のよう!

驚くほど、本領を発揮します。

 

「ハコミセラピー」Beingコースへの参加初日。

ハコミ公認トレーナーの阿部優美さんが言います。

 

ハコミは、体験が大切。

どう泳げばいいかを知るには、まず、泳いでみることが、一番の早道。

泳いで初めて、分かることがある。

思ったことがあったら、どんどんシェアするといいよ

 

「そうなんだ!」と、目が光った「なおちゃん」

なんと、参加初日から、みんなの前で、自分の思ったことを、シェアしまくります。

 

「なおちゃん」が、参加者全員の前で、シェアしたこと。

  • 「ハコミセラピー」のBeingコースは、居心地が悪い。
  • 「ハコミセラピー」のBeingコースには、居場所がない。
  • 自分はダメな人間だ。
  • 日常生活でも、同じように、居心地が悪い、居場所がない、自分はダメな人間だ、と思っている。

 

言われた相手が嫌な思いをするだろうなあということまで、遠慮なく言いまくります。

「なおちゃん」のあけすけなシェアをきっかけに、参加2日目には、私を中心とするグループワークまで、おこなわれてしまいました。

 

私に指示と叱責を連発する存在

 

「ハコミセラピー」Beingコースに参加した初日。

「なおちゃん」ではない、別のキャラクターも、活発に動いていました。

 

口うるさい、厳しい感じの女性。

おそらく、「私の母の分身」といった存在です。

私は、母の名前をもじって、「タカハシさん」と名づけました。

 

私が、「ハコミセラピー」のBeingコースに、初めて参加する朝。

「タカハシさん」は、早々に指示を出してきました。

  • 今日、初めて会う人に対して、失礼があってはいけない。
  • 自分のほうから、相手に愛想よく話しかけ、相手から好かれないといけない。

 

「タカハシさん」の指示に従って、私は、ほかのメンバーに話しかけます。

すると、「タカハシさん」から、厳しいダメ出し!

  • 相手が興味をもつような、気持ちが楽しくなるような話題じゃないと、ダメ!
  • 相手には、ほんのちょっとでも、不快な思いをさせてはいけない!

 

私が、どんな話題を出したらいいか、困ってしまい、黙っていると……。

  • 黙っていたら、相手を嫌な気持ちにさせてしまう!
  • 早く、気のきいたことを言わないといけないと、ダメ!

 

相手に話しかけても、ダメ出し。

黙っていても、ダメ出し。

私は、どうしたらいいか分からなくなり、固まってしまいます。

 

すると、「タカハシさん」から、さらなるダメ出しの嵐。

  • 気のきいたことの1つも言えないなんて、情けない!
  • そんなだから、みんなに嫌われるのよ!

 

さらに、「なおちゃん」の言動が、「タカハシさん」の怒りを加速させます。

「なおちゃん」が、参加者全員の前で、本音をシェアするのを聞いて、「タカハシさん」は怒り心頭。

  • 「居心地が悪い」とか「居場所がない」なんて、よくもまあ、言えたもんだ!
  • 相手が嫌がるようなことを平気で言う、ガサツな人間だから、みんなから嫌われるのよ!

 

「タカハシさん」からの激しい叱責を受け、私は、どんどん元気がなくなっていきます。

そして、人の輪に入っていく気力がなくなり、結局、一人でいることを選んでしまうのです。

 

私を叱責する存在が、苦しみを生み出していた

 

「タカハシさん」は、人との関わり方について、うるさく口出ししてきます。

しかし、それ以上に、私の失敗は、決して許しません

 

「ハコミセラピー」Beingコースに参加した3日目。

「相手の話を聞いて、相手の感情を、短い言葉で返していく」というワークを行いました。

「ハコミセラピー」では、「コンタクト」と呼ばれる技法の練習です。

私は、うまく言葉を返すことができず、まごまごしてしまいました。

 

すると、「タカハシさん」の叱責が、燃え上がります。

  • 心理カウンセラーのくせに、そんなこともできないなんて、クズ以下!
  • こんなんじゃ、心理カウンセラーをやっているなんて、恥ずかしくて、口が裂けても言えない!

 

その後も、相手の感情を、短い言葉で返すということが、うまくできません。

その都度、「タカハシさん」に罵倒されます。

責められると、余計に緊張してしまう。

「ちゃんとやらなきゃ!」という思いで、私はガチガチになっていきました。

 

それなのに、「なおちゃん」は、自分が感じたことを、みんなの前でシェアしてしまうのです。

みんなに知られたくないことを、ベラベラベラベラ。

 

当然のことながら、「なおちゃん」の言動は、「タカハシさん」の怒りの炎に油を注いでしまいます。

「タカハシさん」の叱責は、日常生活での叱責を、はるかに超えるレベルに!

 

「ハコミセラピー」Beingコースに参加した5日目。

「タカハシさん」の叱責は、あり得ないほど、パワーアップしていました。

私は、一方的に罵倒されて、ボロボロに打ちのめされ、身動きができなくなっていきます。

 

とうとう、「ハコミセラピー」のワークに参加することができなくなりました。

一人で座布団の上にうずくまるのが、精一杯。

 

ほかの参加者が、「ハコミセラピー」のワークに参加している姿を見ると。

「タカハシさん」が、私に追い打ちをかけます。

  • せっかくお金を払って、時間を割いて来ているのに!
  • ワークに参加することすら、できないなんて、人として、もう終わっている!

 

もう、イヤだ!いい加減にして!

わがままで自分勝手な「なおちゃん」も、もうイヤ!

ダメ出しばっかりの「タカハシさん」も、もうイヤ!

二人の頭を石でたたきつぶして、二人を消し去りたい!

もう、何もかもが、イヤ!!

 

「ハコミセラピー」Beingコースに参加して、まだ、5日目の途中だけど、もう、無理。

休み時間になったら、もう、家へ帰ろう。

「ハコミセラピー」には、もう、二度と、来ない。

 

そう決心しました。

 

 

「ハコミセラピー」では、「マインドフルネス」を丁寧におこないながら、いろいろなワークをしていきます。

「マインドフルネス」とは、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けていくことを言います。

 

「マインドフルネス」の状態になると、意識の活性度が下がり、無意識の中にあるものが、前面に出やすくなります。

そのため、日常生活でも起きていることが、「ハコミセラピー」の場では、スケールアップして、起こってくるのです。

 

「タカハシさん」に責められることで、苦しくなり、人が集まる場所を避けるというプロセスは、日常生活でも、起きています。

ただ、そのことをハッキリと意識せずに、過ごしているだけ……。

結局、「苦しい思いを作っているのは、私自身だった」のです。

 

苦しい思いを改善する最初の一歩は、自分がはまっているパターンに気づくことなんですね。

身をもって知りました。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

続きはこちら。参加者のそのままの在りようが、私を救いました。


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