思春期の子どもにイラっとするときは、心に「あそび」を作る
思春期の子どもの、ああだ、こうだ、につきあっていると、正直、心がけずれます。
心のゆとりがもてない場合は、開き直って、遊んでしまうというのも手です。
「あそび」には、「楽しく遊ぶ」という意味だけではなく、「ゆとり」という意味もあります。
ただ、子どもの前でやると、不評を買う場合もあるので、ご注意ください。
子どものイラっとする言動を、ネタにして「あそび」を作る
思春期の子どものイラっとする言動、そして、親自身の言動を、ネタにします。
ギャップのある言動を、2つ並べるのが、おススメです。
親自身の言動に関しては、言ってみたいこと、やってみたいことでもOK!
ギャップが大きいほど、笑いが生まれます。
笑いは、「あそび」となり、心の余裕につながります。
ネタを作って、自分の頭の中で楽しみましょう。
たとえば、うちの息子(2020年当時、中2)に関するネタ。
- 私が、夫に対する弱音をはくと、息子は、「お母さんは、お父さんに期待するから、腹が立つんだよ。俺は、もう期待してないから」と、言いやがる。
- 父親に勉強するよう言われると、息子は、めちゃめちゃ腹を立てる。
- 私は、「おいおい。お父さんに期待してないなら、腹が立たないんじゃないのか~」と、ツッコミを入れる。
もう1つ。
- 息子が、父親に対して腹を立て、「もう、一緒にいるのは無理だ!」と、怒鳴り出す。
- 私は、「だよね~。私も一緒にいるのは無理だと思う。あなたがそうしたいなら、いつでもお父さんと離婚するよ~」と、喜ぶ。
- さらに、私は、「お父さんの特徴は、どんなに言っても、そう簡単には直らない。死ぬのを待つしかない。でも、手をくだして犯罪者になるのも嫌だ。のろいの儀式をすると良いよね~」と、楽しそうに言ってみる。
「聞き手」がいると「あそび」が増える
私の場合は、息子にイラっとするとき。
自分の頭の中で楽しむだけでなく、息子のネタを、友だちに話して、一緒に爆笑します。
すると、状況は変わらなくても、気持ちがスッキリするのです。
実は、私が、スクールカウンセラーとして、ご相談をうけたまわっている保護者の方々にも、同じようなことが起こっています。
最初は、お子さんへの対応に困って、つらそうだったり、怒り心頭だったりする、保護者の方々。
ところが、次第に、お子さんの言動や、お子さんに関わるご自身の言動を、ネタにしちゃう保護者の方々が、現れてくるのです。
私も思わず、一緒に爆笑してしまいます。
お子さんのことをネタにできる保護者の場合。
イラッとしてお子さんを叱りつけたり、ガッカリしてお子さんの前で泣いたりしても、大きな問題は起こりません。
「ネタ遊び」ができるようになると、親の気持ちに「ゆとり」が生まれます。
そして、「ネタ遊び」を一緒に楽しんでくれる「聞き手」がいると、「ゆとり」はさらに大きくなります。
「ゆとり」があるということは、親が、自分らしく生きているという表れでもあります。
「自分を生きる」という基礎ができていると、理想的ではあるけれど、小細工に過ぎない対応(怒らない、感情的に取り乱さない)ができなくても、子どもにあまり害を及ぼさないんです。
ただし、誰でも「ネタ遊び」ができる訳ではありません。
なぜ、「ネタ遊び」ができないのかについて、考えてみました。
「ネタ遊び」ができない理由と対処法
思春期の子どもについて「ネタ」を作ることすらできない。
その理由は、以下の通りです。
「考え方のクセ(ビリーフ)」にしばられている
「考え方のクセ(ビリーフ)」にしばられていると、子どものネタ、親自身のネタは、作れません。
たとえば、こんな「考え方のクセ(ビリーフ)」が、あるかもしれません。
- 人から笑われるようなことをしてはいけない
- 身内の恥をさらしてはいけない
- 親として、子どもをネタにするなんて、けしからん
まずは、自分にどんな「考え方のクセ(ビリーフ)」があるか、ピックアップしてみましょう。
怒りや傷つきが大きい
思春期の子どもに関わる中で、親自身が、怒りや傷つきを強く感じている場合。
心のゆとりがなくなり、「遊ぶ」ことすらできなくなります。
「遊ぶ」前に、まずは、誰かに、怒りや傷ついた気持ちを話し、共感してもらうことが必要です。
お子さんが、小中高校に通っているなら、その学校のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーに相談してみましょう。
また、お住いの地域には、「教育相談センター」「子ども家庭支援センター」「児童相談所」という公的な機関もあります。
そちらに連絡してみるのも良いでしょう。
孤軍奮闘している
たとえば、配偶者が子育てにまったく協力してくれない、話を聞いてくれる人が身近にいない、一人で子育てをしている、といった理由で、親が孤軍奮闘している場合。
その日を過ごすだけで精一杯なのですから、親自身に「遊ぶ」ゆとりなど、あるはずがない!
「この世にひとりぼっち」という感覚は、心にも、身体にも、害を及ぼします。
精神的なサポート(話を聞いてもらう、共感してもらう)、物理的なサポート(家事を代行してもらう、子どもの世話をしてもらう)を、受けることができる機関を探してみましょう。
そもそも、「ネタ遊び」が嫌いな人、苦手な人にとって、今回の記事は、嫌悪感しか、わかないかもしれません。
でも、考え方や見方を広げる「遊び」と思って、読んでいただけるとうれしいです。
私は、いつでも、勝手に、あなたを応援しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。