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自責の念に秘められた切なる願い【私が自分を生きるまで⑧】

2024年2月22日

母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。

「自分を生きる」ために、努力を重ねていきます。

そんな中、自罰的な思考の裏に、「切なる願い」があることに気づきました。

 

自責の念の切なる願い

苦しい思いから抜け出し、「心軽やかな日々」を手に入れるため、悪戦苦闘、試行錯誤をくり返してきた私。

「ハコミセラピー」のBeingコースに参加して、1年が経とうとしていた頃のことです。

「マインドフルネスワーク」をおこないました。

「ハコミセラピー」とは、「マインドフルネス」をベースに、心と身体の両方に働きかけるセラピーです。
「マインドフルネス」とは、ゆっくりと深呼吸をして、目をつぶり、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けていくことです。

「ハコミセラピー」のBeingコースとは、「ハコミセラピー」の手法を使って、自分の中で起こる体験を重視し、自分の在り方を見つめるコースです。

 

「マインドフルネスワーク」とは。

自分の課題を探るという目的のもと、

「マインドフルネスの状態となって、

自分の中で何が起こっているかを、ていねいに見ていくものです。

「マインドフルネス」とは、ゆっくりと深呼吸をして、目をつぶり、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けていくことです。

 

「マインドフルネスワーク」をおこなうと、私の場合は、自分でも思いがけないようなイメージが展開されます。

最初に出てきたイメージは、私の心の内面にある、批判的な部分。

私は、キャラクターとして擬人化し、「タカハシさん」と名づけています。

事あるごとに私を責め立てる「タカハシさん」と私が、向かい合って座り、話し合いをするという場面が浮かんできました。

 

話し合いの場に現れた「タカハシさん」は、驚くほどに静かで、おびえているように見えました。

いつもは、高圧的な態度で、厳しい叱責を飛ばしているのに、まるで別人のよう。

家では傍若無人にふるまうのに、外では借りてきたネコのようになる私の母とそっくりです。

 

私は、「タカハシさん」に、「どうして、いつも、私にダメ出しばかりするの?」と尋ねます。

すると、「タカハシさん」が、ポツポツと答え始めました。

 

いい子になってほしいから。

みんなから好かれる子、勉強や仕事のできる子になってほしいから。

あなたが、幸せになるためには、私が、しっかり見ていないといけない。

 

私は、「タカハシさんの気持ちは分かるけど、ダメ出しばかりされると、つらくなってしまうんだ」と伝えてみます。

「タカハシさん」は、悲しそうな顔をして、黙ってしまいました。

でも、「タカハシさん」が、純粋に私の幸せを願っているのだということが、伝わってきます。。

 

私の心の内面にいる子どもの切なる願い

 

私の心の内面にいる批判的な部分、「タカハシさん」が、私の幸せを願っていたことが分かった翌日。

「ハコミセラピー」のBeingコースで、再び、「マインドフルネスワーク」を行いました。

 

ゆっくり深呼吸をして、目をつぶり、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けていくという、マインドフルネスの状態になります。

すると、今度は、私の心の内面にある、ポジティブで生命力にあふれる部分が出てきました。

私は、そのポジティブな部分を、天真爛漫な女の子のキャラクターとして擬人化し、「なおちゃん」と名づけています。

 

ただし、いつもは元気いっぱいで、おちゃめな「なおちゃん」ですが、いつもの元気がありません。

洞窟の中を、水に流されるようにして移動していき、海の底に降り立ちます。

 

「なおちゃん」は、マッチ棒のように細長くなって、海の底に突きささり、ゆらゆら。

「なおちゃん」は、ママが迎えにくることを待っていました。

ママが迎えにきてくれること、つまり、私の母が私の存在を認めて、受け入れてくれることを、待っている。

それが「なおちゃん」の願いでした。

 

ものすご~く長い時間、海の底でゆらゆらしながら、ママを待っていた「なおちゃん」。

とうとう観念します。

どんなに待っても、ママは迎えに来ない。

 

マッチ棒のように細長かった「なおちゃん」。

丸みを帯びて人間の形に戻り、海の中を泳いでいって、島にたどりつきました。

そして、たどり着いた島で、自分で食べ物を探し、葉っぱで家を作り、一人でたくましく暮らし始めます。

 

切なる願いが重なっていく

 

「ハコミセラピー」の「マインドフルネスワーク」を通じて、分かったこと。

 

「ママ(私の母)に認めてほしい。ほめてもらいたい」

私の心の内面にいる小さな女の子(なおちゃん)は、そう切望していました。

 

「それなら、なおちゃんに、いい子になってもらおう!」

小さな女の子(なおちゃん)の願いをかなえるために、大人の存在(タカハシさん)が、髪をふり乱して頑張っていたのです。

 

ただ、問題は、「タカハシさん」の「いい子」の基準が、あり得ないほどに高かったこと。

「いい子」の基準に達することがない私に対して、毎回、ガッカリしていた「タカハシさん」

「次こそ、良い結果が得られるように」という思いから、必死に指示やダメ出しをくり返していたのです。

 

そして、「タカハシさん」は、失敗したときに「なおちゃん」が傷つくことを、過剰に恐れるという側面もありました。

なので、前もって最悪な結末を提示して、心の準備をさせようとしていたのです。

 

「タカハシさん」の言動は、すべて、私のために良かれと思ってしていることだったのです!

だからこそ、「タカハシさん」の存在を消そうとすればするほど、激しい抵抗にあっていたのです。

 

「タカハシさん」は、「自責の念」とも言えます。

自分の中にある「自責の念」は、一見すると、要らないものに見えます。

だって、理不尽とも思える指示を出してくるし、思う通りにならないとダメ出しや叱責が止まらないし。

そんなもの、「なくなったほう楽になる」と思っても、当然ではないでしょうか。

 

でも、「自責の念」には、「切なる願い」、つまり、「ポジティブな意図」があったのです。

「母に認めてほしい」という子どもの願いをかなえるために、必死に頑張っていた。

だからこそ、子どもの願いをかなえる前に、消えることはできなかった。

そういうことだったんですね。

 

 

「マインドフルネスワーク」をおこなって、しばらく経ったころ。

私は、福島の実家に帰省しました。

 

そのとき、私の母(リアル母)を見た「タカハシさん」

「私が一生懸命頑張っても、この人(私の母)が、なおちゃんを認めることは絶対にできない」と感じとり……。

そのあと、なりをひそめてしまいました。

 

その後、しばらくして、無事に(?)、復活した「タカハシさん」。

存在感がやや薄くなり、私に対して、あれこれと指示を出すことが減ってきました。

とはいえ、ダメ出しは、相変わらず、頑張ってます。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

続きはこちら。セルフイメージが極端に悪いために、自分を認められないことに気づきます。


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