考え方のバランスをとることで心を整える
家族と顔を合わせると、イライラする。
仕事が嫌で、辞めてしまいたい。
そんなときに、役に立つのが、「考え方のバランスをとる」というやり方です。
今回は、考え方のバランスをとることで、心を整える方法についてお伝えします。
「考え方のバランスをとる」ための手順
イライラするときに、頭の中に浮かぶ「考え」は、間違ってはいません。
ただ、かたよっているのです。
イライラするときは、出来事の「マイナスの部分」ばかりに、目がいっています。
同じ出来事の「プラスの部分」にも、目を向けていくと、プラスマイナスゼロに!
頭の中のバランスがとれると、気持ちが穏やかになっていきます。
「考え方のバランスをとる」ための手順は、とてもシンプル。
①ある出来事から、今、感じている「マイナスの部分」を、ピックアップする。
②ある出来事によって、自分が得ている「プラスの部分」を、「マイナスの部分」と同じ分だけピックアップする。
これだけです。
ただ、頭の中が、ネガティブな感情を引き起こす「考え」でいっぱいだと、出来事の「プラスの部分」を見ることができません。
出来事の「プラスの部分」を見る「ゆとり」がないからです。
そんなときは、ネガティブな感情を引き起こす「考え」を、別なものに置きかえて、まずは、「頭の中を静かにする」のがおススメです。
頭の中を静かにする方法は、こちら。
人生プラスマイナスゼロ
人生プラスマイナスゼロ。
その考えが、ストンと腑に落ちた最初のきっかけは、ほんの些細なことでした。
仕事の帰り道、電車がとまってしまい、ぐる~っと、うかいして、帰らなければならなくなりました。
帰ったら、息子の夕飯を作らないといけないのに、30分もよけいに時間がかかってしまった。
ホントに、ついてない…。
ため息をついたとき。
頭の中に「人生プラスマイナスゼロ」という言葉が浮かびました。
「はあ!? プラスなんてあるの!?」
訳が分からないことを思う自分に、さらに、ため息が出ました。
いつもは降りない駅で、電車を乗り換えることになり、駅の構内にあるパン屋の前を通ったら。
私の大好きなパンが、半額で売っている!
おいしいけど、ちょっと高いパン。
もちろん、すぐに買いました。
そして、「あれ?これって、人生プラスマイナスゼロ、ってこと?」。
ジョン・F・ディマティーニの書籍を読んで、考え方のバランスをとることが、精神的な安定に大切だという知識はありました。
※「世界はバランスでできている!」(2011)ジョン・F・ディマティーニ(著) 岩元貴久(訳) フォレスト出版
でも、自分の腑に落ちてから、「この考えは面白い」と思い、いろいろな事柄に、「人生プラスマイナスゼロ」をあてはめてみました。
自分の実力不足を痛感して、退職した職場について。
「マイナスの部分」
- 同僚から、「心理カウンセラーに向いていないから、別な仕事を探してほしい」と言われた。
- 同僚が、私と、口を聞いてくれなくなった。
- 私の仕事ぶりに、職場のほかの人も、ため息をつく、嫌な顔をするようになった。
- 管理職から、専門家として、ちゃんとするよう注意を受けた。
「プラスの部分」
- けなされても、心理カウンセラーとして、頑張っていきたい自分がいることを、知った。
- 自分のいたらなさを知り、さらなる学びを続ける意欲がわいた。
- 自分には、発達の凸凹(診断はつかないまでも、発達障害の特徴をもっている)があることに気づいた。
- 能力開発、自己啓発に、かなりの力を注いで取り組むようになり、世界が広がった。
「マイナスの部分」と同じ分だけの「プラスの部分」を見つけると、自分に対する情けなさが、す~っとなくなりました。
逆に、「自分をよりよくするための試練を与えてもらった」と、かつての職場の人たちに対する感謝が、わいてきたのです。
「プラスの部分」が見つからないときの工夫
夫の顔を見るたびに、イライラしていた私は、早速、夫との結婚に対しても、「マイナスの部分」、「プラスの部分」を見ようとしました。
ところが・・・。
どんなに頭をひねっても、「プラスの部分」が、出てこない!
「マイナスの部分」は、いくらでも出てくるのに…。
逆に、「夫のために、なんで、こんなに、頭をひねらないといけないんだ!」と怒りすら、わいてきます。
ほかの出来事だと、「プラスの部分」が見えてくるのに、夫に対してだけ、ダメなのは、どうしてだろう?
考えた結果、「夫にされた嫌なことを、くり返し、くり返し、思い出しているせいだな」、と。
夫とは、結婚して以来、経済的な価値観の違いで、何度もケンカをしてきました。
お金のことが話題になるたび、「あのときに、あんなヒドイことをされた!」と、以前にあったことを思い出してしまう。
だったら、夫に対するのろいのような言葉を、頭の中で考えるのをやめてみよう。
それで、ネガティブな「考え」が、自然に頭に浮かぶ時間帯に、「慈悲の瞑想」を唱えることにしました。
ネガティブな「考え」が、頭の中を占める時間が減ると、少しずつ、気持ちにゆとりが出ていく。
夫の顔を見ると、イライラするというレベルが、だんだん下がっていきました。
「慈悲の瞑想」を唱えはじめて、4ヶ月が経った頃。
ためしに、「夫との結婚」に対して、「マイナスの部分」と「プラスの部分」を、見てみることにしました。
「マイナスの部分」
- お金での苦労がたえず、小さい息子を保育園に預けて、仕事をしなければならなかった。
- 私のペースや考えが、夫にないがしろにされる。
- 私が何を言っても、なかなか夫に響かない。
- 私だけに、重労働が強いられる(仕事、家事、育児)。
「プラスの部分」
- 仕事を続けたお陰で、私にも、ある程度の収入があり、夫に何があっても、大丈夫。
- 仕事を続けたお陰で、職場で厳しい現実にさらされ、学びを得ようと必死になったため、「ハコミセラピー」と運命的な出会いを果たした。
- ハッキリ言わないと理解してもらえないので、コミュニケーションの訓練になった。
- 息子を授かった。
「プラスの部分」を見つけることができたら、「夫との結婚」に対しても、「まあ、いいか」と思えるようになりました。
どちらかというと、「夫のことが、大キライなままでいいんだ」と開き直ったような心境に…。
※夫に対して開き直った心境になったら楽になったという記事は、こちら。
今回は、「考え方のバランスをとることで心を整える」ということについて、お伝えしました。
考え方のバランスをとると、怒りを含めた激しい感情が、少しやわらぎます。
日常生活を送るレベルには、心を整えることができますので、おススメです。
ツライ気持ちは、時間があるときに、そっと手当てしてあげましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。