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指先をなでるだけで気持ちが整う方法がある

2024年10月24日

ネガティブな気持ちは、ありとあらゆる状況で浮かび、仕事やプライベートに影響を与えます。

「心軽やかな日々を送ってみたい」という執念にも似た願いのもと、自己探究を重ねてきた私。

自己探究オタクの私が見つけた、仕事中でも使える、気持ちが整う方法について、お伝えします。

 

指先をなでるだけで気持ちが整う「指いい子」

 

指先をなでるだけで、気持ちが整う方法。

それは、精神科医の神田橋條治先生が開発した、その名も「指いい子」です。

 

私が、実践しているのは、神田橋先生に長年教えを受けていた臨床心理士(公認心理師)の方から伺った方法。

神田橋先生オリジナルの方法に、アレンジが加えられています。

 

「指いい子」のやり方

指を包み込むようにふれる

片手の5本の指で、もう片方の手の指先(第1関節までの部分)を包むようにふれる。

つかむのではなく、「包み込むように、優しくふれる」のがポイント。

 

フタを開ける方向に指先を回転させる

ふれている側の手首を、ビンのフタ(ペットボトルのキャップ)を開ける方向に回転させる。

指をつかんでねじるのではなく、5本の指で、もう片方の手の指先を、優しくなでるように回す。

指先にキャップがかぶさっていて、それを回すようなイメージ。

親指から順に、1本の指につき、10回ずつ回す。

片手の指を、親指から順番に小指まで回し終えたら、次は、もう片方の手の指にも、同じように行う。

 

フタを閉める方向に指先を回転させる

今度は、5本の指でふれている側の手首を、ビンのフタ(ペットボトルのキャップ)を、閉める方向に回転させる。

回し方は、先ほどと同じように、優しくなでるように。

親指から順に、1本の指につき、10回ずつ回す。

片手の指を、親指から順番に小指まで回し終えたら、次は、もう片方の手の指にも、同じように行う。

 

「指いい子」を行う際のポイント

指先をなでる際のポイント

指先を回すほうの手は、ひじから先の力を抜く。

そして、「いい子。いい子」と心の中でつぶやきながら回す。

 

回す回数について

慣れてくると、回す回数が10回より少なくても、「もう充分」と感じることがある。

同じように、10回回しても「足りない」と感じるときは、「もう充分」と感じるまで回す。

そのとき、そのときで、「もう充分」と感じるだけ、回す。

 

回す方向が分からなくなりそうな場合

ペットボトルのキャプに、開ける方向の矢印を描いて、準備しておく。

ペットボトルのキャップを、指先にはめ、回す方向を確認してから、実際に回す。

 

オリジナルの「指いい子」

神田橋先生が発案したオリジナルの「指いい子」は、もっと感覚的なものです。

 

開く方向、閉める方向に指先をなでてみて、「軽やか・なめらか」と感じるほうに回す。

「軽やか・なめらか」であるのは、対象の生体(指)が、それを求めているらしい。

なめらかだったのに、「抵抗」が出てきたら、終了のタイミング。

 

「神田橋條治が教える心身養生のための経絡・ツボ療法」という著書に掲載されたQRコードを読み込むと、神田橋先生が「指いい子」のやり方を教えている動画を見ることができます。

 

「指いい子」を開発した神田橋條治先生

 

「指いい子」を開発した神田橋條治先生は、長年、精神科医療に携わってきた大御所。

 

精神科での治療というと、薬物の投与を行うことが大半となっている現状があります。

しかし、神田橋先生は、「医療の囚人を作る営みになっている」と、うれいているのです。

 

そして、身体がもつ「自然治癒力」に関心を向け、東洋医学、特に、鍼灸(経絡・ツボ)、気功、整体などを取り入れた、独自の「心身養生の方法」を編み出してきました。

医療の専門家ではない素人でも、「自助」を行えることを、目標にしているそうです。

 

精神医学会では、神田橋先生の取り組みを「根拠のあるデータ(エビデンス)に基づいた治療ではない」と批判する声もあるとか。

ですが、神田橋先生の常識にとらわれない自由な発想、そして、患者に寄り添う気持ちに、感銘を受ける人は多いのです。

私も、その一人。

 

ちなみに、神田橋先生によると、「指いい子」は、経絡の考えをもとに編み出された方法だとか。

「指いい子」を行うことで、経絡治療の効果を実感することができるうえ、日々、これを行うことで「感知」の修練になるそうです。

たしかに、オリジナルの「指いい子」は、自分の感覚を確かめながら、回す方向、終えるタイミングを判断していますからね。

 

また、「指いい子」を日常的に自分の両手の指で行うと、自分の健康法にもなるとのこと。

アレンジした方法を編み出した方によると、「指先を開いて解放し、閉じておさめるため、日中、活動しているときでも取り組みやすい」んですって。

私は、アレンジされた「指いい子」を、自分の健康法として取り入れています。

 

「指いい子」を実践して感じたこと

 

「指いい子」は取り組みやすい

身体を大きく動かさないので、目立たず、どこでも使える。

職場では、休憩時間、会議、研修会のときなどに、机の下で、こっそりやっています。

電車で移動しているときでも、OKです。

 

短時間で終えることができる。

指先を開く方向になでる、閉じる方向になでる、をひと通りやり終えても、せいぜい3~4分。

隙間時間に取り組めます。

 

アレンジされた「指いい子」だと、やり方が決まっているので、私のような鈍感なタイプでも取り組みやすい。

オリジナルの「指いい子」だと、回す方向や終えるタイミングを、自分で感知して決めていかなければいけないので、私にはハードルが高くて。

手順が決まっていると、取り組みやすくなります。

 

「指いい子」の効果を感じるところ

「指いい子」をひと通り行うと、気持ちがす~っと穏やかになり、整う感じ。

なでている指の温かさを感じると、ほっこりして、安心感も得られます。

 

私の母が、私にだけひどい言葉を遺して亡くなったので、私はしばらくの間、精神的に不安定な日々を送っていました。

仕事中も、「ナオミは、バカで、のろまで、肝心なときに役に立たない」という母の言葉が、ふとよみがえり、悲しみと不安で、いたたまれなくなってしまって。

そんなとき、仕事の合間に、せっせと「指いい子」をしていました。

会議中、電車の中でも取り組めるので、ネガティブな感情がわいたときの応急処置に最適です。

 

「指いい子」の効果が感じられないところ

「指いい子」は、ネガティブな感情がわいたときの応急処置には最適ですが、トラウマの治療には使えません。

私の場合、弟と比較され、母に罵倒されて育ったせいか、複雑性トラウマ(親子関係の中で傷つく体験を重ねてきたために生じるトラウマ)を抱えています。

そのせいか、幼少期の体験と似たような状況で、フラッシュバックが起きてしまい、ネガティブな感情が激しくわき出てくるんです。

「指いい子」を実践した直後は、少しだけ気持ちが穏やかになるのですが、しばらく経つと、ネガティブな感情が再燃してきます。

 

残念ながら、「指いい子」は、トラウマの治療にはなりません。

ただ、ネガティブな感情で心が削られることを防ぐので、心の基盤づくりには向いています。

 

※「指いい子」では歯が立たないフラッシュバックを消す方法については、こちら。

 

※「指いい子」に似ているけれど、トラウマ治療にも使える「足の5本指いい子」については、こちら。


 

 

今回は、指先をなでるだけで気持ちが整う「指いい子」について、お伝えしました。

心身の健康法、養生法として、ピッタリな方法です。

ぜひ、試してみてくださいね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

※引用・参考文献
神田橋條治(2020)神田橋條治が教える心身養生のための経絡・ツボ療法 創元社

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