「ラビング・プレゼンス」で自分に必要なものを得る
「ラビング・プレゼンス」は、「マインドフルネス」の応用編。
「マインドフルネス」を一人でおこなう場合、熟練しないとなかなか集中できません。
でも、「人」や「モノ」を糸口にしておこなうと、ぐっと深まります。
今回は、「モノ」を対象におこなう、「ラビング・プレゼンス」について、お伝えします。
※「マインドフルネス」とは、ゆっくりと深呼吸をして、目をつぶり、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けていくことです。
※「ラビング・プレゼンス」で対人関係の在り方が変わるという記事は、こちら。
「ラビング・プレゼンス」は「モノ」でやるのがおススメ
「ラビング・プレゼンス」。
これは、目の前にいる相手から、自分にとって必要なものを受け取り、必要なもので自分を満たしながら、相手と関わる手法です。
「マインドフルネス」の状態において、「チラッと見たものから、自分にとって必要なものを受け取る」という作業を加え、「マインドフルネス」の状態を深めます。
「マインドフルネス」の状態が深まると、頭であれこれ考えて、その考えで自分を縛ることが減るので、心が穏やかになります。
「自分にとって必要なもの」は、ひとりひとり違います。
愛、優しさ、温かさ、冷静さ、etc。
とはいえ、気持ちが沈んでいる、感受性が強い、過敏さがある、人が怖いという場合。
「人」を対象にして「ラビング・プレゼンス」をおこなうと、刺激が強すぎる。
そんなときは、自分が好きな「モノ」を対象に、「ラビング・プレゼンス」をおこないます。
「モノ」は反撃してくることがないので、安心して取り組める。
それに、「純粋に好きなモノ」を対象とするので、自分にとって必要なものを感じとりやすい。
「ラビング・プレゼンス」は、教科書的には「人」を対象とします。
でも、「モノ」を相手におこなうことは、おススメなんです。
「人」でも「モノ」でも手順は同じ
「モノ」に対して「ラビング・プレゼンス」をおこなう手順は、「人」に対しておこなうときと、ほぼ同じです。
違うのは、知らない人を相手に練習するのではなく、好きな「モノ」でおこなうこと。
好きな「モノ」は、なんでもOKです。
たとえば、
- 大好きなアーティストや俳優
- かわいい動物
- 自然のもの(観賞植物、花、樹木、水辺、森、など)
- ぬいぐるみや小物
- アート作品
実物のほうが、自分に必要なもの(良いもの)を感じとりやすいのですが、写真やイラストでも構いません。
手順はざっくり以下の通り。
①好きな「モノ」を選ぶ。
②「マインドフルネス」の状態になる
③自分に言葉をかける
「このあと目を開けると、今の自分にとって必要な何かが流れ込んでくる。
私は、それを受け取り、いい感じを味わうことができる」という言葉。
④一瞬目を開けて「モノ」を見たら、目を閉じる。
⑤心地よい感じを味わう。
※「ラビング・プレゼンス」の詳しい手順を知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
「モノ」から必要なものを教えてもらった体験
私は、「ケロちゃん」のぬいぐるみに対して、「ラビング・プレゼンス」をしてみました。
「ケロちゃん」は、「バムとケロ」という絵本に出てくる、カエルくん。
見た目も、性格も、私に似ているので、親近感を抱いています。
「ケロちゃん」を手のひらに乗せて、目をつぶり、ゆっくり深呼吸をしながら、マインドフルネスの状態に。
そして、「このあと目を開けると…」という言葉を心の中でとなえ、パチッと目を開けて、「ケロちゃん」を見る。
すぐに目を閉じると、「ケロちゃん」の残像とともに、「自分らしく存在する」という言葉が頭をよぎりました。
「なんだろう」と思いつつ、その言葉を反すうしてみる。
すると、「ケロちゃん」が、ぴょんぴょん飛び跳ねながら、私にまとわりつくイメージ。
そして、「ケロちゃん」の声が聞こえてきたのです。
嫌なら、やめちゃえばいいよ。
Twitter(現X)なんて、やめちゃいなよ。
嫌なことやっても、楽しくないじゃん。
そうじゃなくても、嫌なことってあるんだからさ、わざわざ嫌なことしなくていいよ。
なるほど~。
私は、ある方から勧められ、ブログの新着記事をお知らせするために、FacebookとTwitter(現X)を始めたのです。
でも、Twitter(現X)で、「自己否定が強い人は、『そのままでいいんだよ』と言ってあげると、コロッと落ちるから、ちょろい」みたいなツイートを読み、自分のことを言われたような気がして、悲しい気持ちに……。
合わない人や場所から離れてもかまわない。
これには納得。
なのに、「Twitter(現X)での投稿を勧めてくださった人に失礼だ」と思うと、二の足を踏んでしまっていたんですね。
「ケロちゃん」を相手に「ラビング・プレゼンス」をおこなったことで、自分に必要なものが何であるかが分かり、スッキリ!
Twitter(現X)は、その気になるまで、距離を取ることにしました。
今回の私は、どうやら悩みを吹っ切るための糸口を求めていたみたい。
ですが、場合によって、「必要とするもの」は違います。
以前、神社の境内にある巨木に対して、「ラビング・プレゼンス」をおこなったとき。
何とも言えない深い感覚を得ました。
巨木から受け取ったのは、巨木が地下に根を張りめぐらし、宇宙から降り注ぐエネルギーを受けとめ、長い月日を重ねてきたイメージ。
巨木の圧倒的な生命力を含め、地球も宇宙もすべてのものがひとつになっており、私もその中のひとつとして泰然と存在している感じ。
その感じを味わううちに、心が満ちていき、全身に静かな力がみなぎっていきました。
「モノ」に対する「ラビング・プレゼンス」は、自分に必要なものを教えてくれるし、必要なものを与えてくれます。
「人」を相手におこなうより、安心、安全なのに、得られるものは、なかなか!
お出かけしたときや、趣味を楽しむときに、出会った「モノ」に対して「ラビング・プレゼンス」を試してみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※「ラビング・プレゼンス」について書かれた本は、こちら。
高野雅司(2013)「人間関係は自分を大事にする。から始めよう」青春出版社
高野雅司(2018)「図解「人づきあいが面倒!」なときのマインドフルネス」青春出版社