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対人関係に新しい視点をもたらす「ラビング・プレゼンス」

2024年11月12日

人と関わるとき、気を遣い過ぎて疲れてしまう…。

そんな私でしたが、「ラビング・プレゼンス」を続けるうちに、人との関わりがちょっとずつ楽になっていきました。

今回は、対人関係に新しい視点をもたらしてくれる「ラビング・プレゼンス」について、お伝えします。

 

「ラビング・プレゼンス」とは?

 

「ラビング・プレゼンス」は、もともとは、ハコミセラピーという心理療法で使われる手法です。

英語で「Loving Presence」と書きます。

直訳すれば、「存在を愛する」ということ。

目の前にいる相手の存在から、愛を受け取り、味わうのが、「ラビング・プレゼンス」です。

 

「ハコミセラピー」のセラピストは、「ラビング・プレゼンス」の状態に入ったまま、クライエント(相談者)に向き合います。

クライエントが、その人らしく、そのままに存在していることに、素晴らしさを感じながら、セラピーをおこなうのです。

 

とはいえ、「愛」を受け取る、って言われても、ピンときませんよね。

私もそうです。

なので、私は、「生命力」ととらえています。

 

目の前にいる人の「生命力」を感じ取り、それに敬意を感じながら、その人と一緒にいる。

相手の「良いところ」を頭で考えて探すのではなく、自分にとって必要だなあと感じた良いものを、相手からいただく。

私の「ラビング・プレゼンス」は、そんな感じです。

 

「ハコミセラピー」のセッションの根幹をなす「ラビング・プレゼンス」ですが、セラピー場面以外でも、めちゃめちゃ使えます。

特に、「人と関わるときには、相手に合わせちゃうから疲れる…」と感じるあなたには、超おススメ。

対人関係に新しい視点がもたらされます。

 

「ラビング・プレゼンス」の手順は簡単

 

「ラビング・プレゼンス」の手順は、いたって簡単。

慣れてくると、目を開けたまま、「ラビング・プレゼンス」の状態に入ることができますが、初めは、目をつぶって練習します。

 

「ラビング・プレゼンス」をおこなう対象を決める

初めは、知らない人に対して練習していきます。

知っている人だと、日頃の恨みつらみが出やすくなりますから…。

 

「ハコミセラピー」のグループワークでは、参加者に対しておこないますが、日常的には、街で見かけた人

 

たとえば、

  • カフェやレストランで見かけた人
  • 電車で座っている人、立っている人

 

街中でやる場合、私は、優しそうな人、自分が好きなタイプの人を選びます。

ただ、あんまりジロジロ見ると、不審者だと思われるので、要注意。

 

「マインドフルネス」の状態になる

目をつぶって、ゆっくりと深呼吸をしながら、「今、この瞬間」に起きていることを感じていきます。

身体の感覚。

聞こえる音。

ふと浮かぶ、考え、など。

これが、「マインドフルネス」の状態です。

 

自分に言葉をかける

マインドフルネスの状態になり、心も身体も落ち着いてきたら、心の中で、次の言葉を自分自身にかけます。

 

このあと目を開けると、今の自分にとって必要な何かが流れ込んでくる。

私は、それを受け取り、いい感じを味わうことができる。

 

そして、「何が流れ込んでくるかな」と、ワクワクした気持ちをもちます。

 

一瞬、目を開く

自分に言葉をかけたら、パチッと目を開き、選んだ相手(知らない人)を、1秒ほど見ます。

そして、すぐに目を閉じます。

 

目を閉じたあとに、何も感じないとき、何も起こらないときは、パチッと目を開いて1秒見ることをくり返しても、OKです。

 

心地よい感じを味わう

目を閉じたら、心地よい感じが、自然にわき起こってくるのを待ちます

心地よい感じが起こってきたら、どんな風に心地よいのかを観察しながら、味わいます。

 

心地よい感じは、人によって違います。

  • 身体の感覚:温かい、柔らかいものに包まれる、身体の内側が何かで満たされていく、リラックスする、ホッとする、安心する、など。
  • イメージ:光に包まれる、映像が見える、物語が展開するなど。
  • 声や言葉を感じる:「そのままでいい」「頑張ってるね」など、言葉が浮かんだり、声が聞こえたり。

 

私の場合、「ラビング・プレゼンス」の練習をすると、イメージが展開されます。

最近、電車の向かい側の席に座っていた女性を相手に、「ラビング・プレゼンス」をやったとき。

となりのトトロのようなモフモフの雪男が、イメージの中に登場しました。

私はすかさず、イメージの中で、モフモフ雪男にぺったりとくっついて、癒されました。

 

「ラビング・プレゼンス」の注意点

 

「ラビング・プレゼンス」をやる前に。

 

このあと目を開けると、今の自分にとって必要な何かが流れ込んでくる。

私は、それを受け取り、いい感じを味わうことができる。

 

という言葉を、自分にかけてください。

 

始めたばかりの頃、「このあと目を開けると…」といった言葉かけずに、電車の中で「ラビング・プレゼンス」の練習をしたら。

亡霊のような恐ろしいものが襲いかかってくるというイメージが浮かび、ビックリ!!

 

とはいえ、自分に言葉をかけなくても、いい感じを味わうことができる人もいます。

「人からは、いい感じのものしか流れ込んでこない」と思っている人。

「ラビング・プレゼンス」をやることに慣れていて、身についている人。

 

私は、対人恐怖っぽいところがあるので……。

痛い目にあってからは、必ず、自分に言葉をかけてから、「ラビング・プレゼンス」をおこなっています。

 

あと、心構えが大切です。

「何も起こらないに違いない」と考えていると、何も起こりません。

 

最後に、気持ちが沈んでいるときなどは、新しいことに挑戦するエネルギーが出ないことがあります。

初めて取り組む時は、ちょっとエネルギーがあるときのほうが望ましいです。

 

 

人との関わり方に新しい視点を取り入れてみたいという、あなた。

ぜひ、「ラビング・プレゼンス」を試してください。

相手から良い感じを受け取ることができると同時に、自分を満たすこともできるので、人と関わることが楽になります。

 

慣れてくると、目を開けたままでも、「ラビング・プレゼンス」の状態に入れるようになります。

私も、スクールカウンセラーとして勤務する際、クライエント(相談者)や、情報共有をする学校の先生方に対して、「ラビング・プレゼンス」を実践中。

やり取りがスムーズに流れる感じがします。

 

 

とはいえ、人が怖い場合は、人間相手に「ラビング・プレゼンス」をおこなうときに、抵抗が出てくるのは自然なこと。

次の記事では、物に対する「ラビング・プレゼンス」について、お伝えします。

実は、物に対する「ラビング・プレゼンス」、おススメなんです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

※物に対する「ラビング・プレゼンス」については、こちら。

 

※「ラビング・プレゼンス」について書かれた本は、こちら。

高野雅司(2013)「人間関係は自分を大事にする。から始めよう」青春出版社

高野雅司(2018)「図解「人づきあいが面倒!」なときのマインドフルネス」青春出版社

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